［2023/3/1　茨城版］
　神栖市(石田進市長)の23年度当初予算案は、一般会計に前年度当初比0.9％増の459億1300万円を計上する。新年度予算には、第一学校給食共同調理場整備事業で基本計画策定委託料を計上したほか、海浜運動公園改修の基本計画・基本設計委託料、矢田部公民館の改修工事費、息栖神社周辺整備事業での観光拠点実施設計委託料などを盛り込んだ。

　一般会計を性質別でみると、普通建設事業費ははさきマリンプールの整備が完了したことなどにより、対前年度比14.9％減の57億3431万円となった。特別会計は、3会計の合計が7.7％増の169億6643万円。企業会計は下水道事業会計における管渠整備費の増額もあり、2会計あわせて3.2％増の84億2677万円となる。一般会計に特別会計3会計と企業会計2会計を加えた予算総額は、2.7％増の713億0620万円となった。

　新年度の主な事業を見ると、第一学校給食共同調理場整備事業で基本計画等作成委託料に1000万円を計上。大野原中央にある現施設が、1991年に建設から既に30年以上が経過し、施設や設備の老朽化が進行していることから、新施設を建設する。具体的な場所や規模は、基本計画のなかで決定していく。24年度から基本・実施設計に着手し、給食の提供開始は28年度を想定する。

　運動施設整備事業では、海浜運動公園改修に係る分析調査等委託料530万円と施設改修工事設計監理委託料1595万円を確保。市では「スポーツタウン神栖」の実現に向けて、市内にある約40の体育施設の統合や更新を進めている。このうち、海浜運動公園は、トップスポーツも含めた競技者の国内大会や合宿としての利用を促進するため、競技施設の充実を図ることを計画。23年度はテニスコートやサッカー場など西側エリアの基本設計に加えて、温水プールや野球場など、東側エリアの基本計画を策定する。

　矢田部公民館管理運営事業には、改修工事費や監理委託料など23-25年度の3カ年で総額3億5056万円の継続費を設定。同施設は82年の建築で、老朽化や塩害による経年劣化が進んでいる。特に地震や暴風雨時には、外壁などの爆裂による落下物、館内では雨漏りが発生していることから、改修工事を実施する。設計は横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)が担当している。

　息栖神社周辺整備事業では1億4452万円を予算化し、息栖神社の魅力向上と観光客が訪れる拠点として整備を進める。具体的には、同地区内にある空き家となった旅館「柏屋」の跡地に観光拠点施設を2棟整備するほか、周辺市道や駐車場、船溜まりなどを整備。23年度は拠点施設の実施設計業務や、周辺市道の息栖神社側の整備工事、拠点施設用駐車場の路盤工事などを実施。拠点施設の建設工事は24年度を予定している。

　神之池緑地整備事業では、樹木再配置計画策定業務委託料や園路改修設計業務委託料、幼児用遊具整備工事費などに6834万円を盛り込んだ。神之池緑地では、定住人口と交流人口の拡大に向けて、にぎわいづくりの拠点を整備する。具体的には、体験拠点として、ランニングステーションやサイクルステーションの整備のほか、艇庫の拡張を行う。公園施設では大型遊具や休養施設の設置、駐車場の拡張などを整備していく。

　波崎東部地域活性化事業では1776万円を予算化して、地域活性化基本計画と市営住宅再編に伴う土地活用の基本計画を策定する。この事業は、波崎東部地域におけるにぎわい創出や定住・交流人口の拡大による活性化を目的とするもの。基本構想の段階では、▽波崎海水浴場や豊ヶ浜運動公園を中心としたスポーツゾーンの活用▽波崎東ふれあいセンターや波崎生涯学習センターの施設および用地の利活用▽波崎かもめ公園や利根川河口中洲の利活用▽波崎東部市営住宅立替に伴い発生する用地の活用──などを想定している。

　災害等対策事業費には工事設計監理委託料938万円を計上し、舎利浜地区における津波避難施設の整備に向けて、実施設計を策定する。避難施設は築山高台形式を想定。整備は盛土を行うことで実施していく。想定避難人数は300人、施設の高さは5m、避難スペースの面積は400平方ｍとなる。

　雨水排水対策事業では、排水路維持管理事業費と市道整備事業費、市道補修整備事業費、農業用排水路等管理事業費で総額7億5909万円を予算化。浸水実績のある地区を中心に、計画的に雨水排水の改修工事を実施していく。

　このうち、排水路維持管理事業費では、排水路工事費3億5100万円や排水路補修工事費1億2267万円、排水路設計監理委託料550万円、雨水対策基礎調査設計委託料1000万円などを盛り込んだ。整備内容としては、須田団地の雨水排水路整備工事や本郷地区の貯留槽設置工事、東深芝地区の雨水管管渠補修工事などを予定している。