［2023/2/28　茨城版］
　水戸市(高橋靖市長)は27日、記者会見で新年度の当初予算を公表した。一般会計の総額は対前年度比5.6％減の1174億円で、過去7番目の規模となった。主な事業では、南消防署緑岡出張所改築事業に3カ年で総額5億9610万円、北側自由通路整備事業に2カ年で総額6億0900万円の継続費をそれぞれ設定した。このほか、市場再整備事業で拡張用地の取得に向けた費用や、(仮称)東部公園スポレクゾーンのサッカー場整備工事費、水戸駅前三の丸地区市街地再開発の補助金などを盛り込んだ。

　このうち、普通建設事業費については、同41.1％減の125億6779万円。水戸市民会館の完成や、南消防署移転改築事業、笠原小・吉沢小校舎増築事業の完了などが大幅減の要因となる。特別会計では10会計の合計が同0.6％増の543億0384万円、公営企業会計では2会計の合計が同7.2％増の310億5700万円。これらを合計した予算総額は同2.2％減の2028億3540万円となった。

　主な事業をみると、緑岡出張所改築事業では、工事費に23-25年度の3カ年で総額5億9610万円の継続費を設定。改築の際には、隣接する東側の用地を取得して整備を行う。新施設の構造・規模は、RC造2階建て、延べ603平方ｍ。基本・実施設計は桜設計事務所(水戸市)が担当している。新年度から着工し、24年度の供用を予定。なお、既存施設については、新庁舎の完成後に解体する見通しとなっている。

　内原駅周辺地区整備事業では、北側自由通路の整備工事費に23-24年度の2カ年で総額6億0900万円の継続費を設定した。北側自由通路は、自由通路を北東側に延伸し、ショッピングモール方面に向かう歩行者の安全を確保することなどを理由に整備する。計画では、旧石岡城里線を跨ぎ、常磐線に沿って既存の歩行者専用道路に接続させる。延長は約60m、幅員約2.5m、階段幅員2.5mとし、エレベーター1基を設置する。詳細設計はJR東日本建築設計事務所(東京都渋谷区)が担当した。工事の大半は市で実施するが、常磐線に隣接する箇所についてはJR東日本に委託する見通しとなっている。

　市場再整備事業では、6億5770万円を予算化した。主なものでは、市場の再整備工事や、拡張用地の取得などを進める。このうち、拡張用地関連では、測量費や取得費などに合計で1億3500万円程度を確保。拡張の対象は、既存敷地の北側の6haとなり、合計で22haの敷地を有することになる。将来的には同地で大規模な建て替えを計画しているが、当面の間は荷捌所や倉庫を整備する予定だという。

　公園整備事業には6億6350万円を計上。このうち、千波公園レイクサイド跡地では、駐車場とトイレ整備費に3億1300万円を配分する。現時点では24年1月の暫定供用を予定している。また、東部スポレクゾーン関連では、サッカー場の人工芝整備費に2億4000万円を投じる。1面分の整備を先行して実施し、24年4月の供用を予定する。

　水戸駅三の丸地区市街地再開発事業では市街地再開発組合に2億6000万円の補助を行う。この事業は水戸駅北口に住宅棟(RC造20階建て、186戸)と商業・業務棟(S造4階建て)、立体駐車場を建設するもの。概算事業費は104億円に設定。23年度は解体工事を行う。24年度から本体工事に着手し、26年度の完成を予定する。

　学校関係では、酒門小学校校舎増築事業で実施設計や地質調査委託料に3630万円を計上。これは同小の生徒数増加に対応するため、校舎の増築を行うもの。増築規模は5教室程度を予定。供用開始は26年度になる見通しだ。このほか、寿小の長寿命化先行工事費に1億3800万円や、妻里小の長寿命化に向けた設計委託料3520万円、飯富小中学校の耐力度調査費2500万円、学校施設の緊急安全対策工事費2億3000万円などを盛り込んだ。

　市民センター長寿命化改修事業には2億1220万円を確保した。このうち、渡里市民センターの工事費に1億9020万円、吉田市民センターの実施設計委託料に1000万円、石川市民センターの実施設計委託料に1200万円を投じる。

　市営住宅長寿命化改修事業には3億1100万円を計上。屋根・外壁など改修工事を河和田住宅と平須町住宅、給水管改修工事を河和田住宅、昇降機改修工事を緑岡第1住宅で実施していく。

　国補街路整備事業では、都市計画道路の整備を進める。事業費には13億5600万円を確保した。対象は、中大野中河内線と赤塚駅水府橋線、偕楽園公園上水戸線の3路線となる。

　水道関係では、水道施設耐震化に16億2382万円、老朽施設の更新に20億3217万円、鉛製給水管解消対策に5億9615万円を計上。下水道関連では、管渠建設改良に29億8283万円、処理場建設改良に15億5315万円などを盛り込んだ。