総合公園で設計費 当初予算 御所ケ丘中改修に11億円(守谷市)
[2023/2/25 茨城版]
守谷市(松丸修久市長)は20日、23年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比12.6%増の341億2400万円で2年ぶりの増額となり、過去最大規模となった。主な事業では御所ケ丘中学校校舎改修事業に増額11億7330万円、郷州公民館改修事業に総額4億7605万円の2カ年継続費(23-24年度)をそれぞれ設定する。このほか、御所ケ丘小学校体育館改修事業に3億2317万円、総合公園新設事業に2億4285万円、3校の体育館空調設備工事費に2億3305万円、(仮称)守谷SAスマートIC整備事業に7108万円を確保した。このうち、総合公園新設事業については都市計画決定や事業認可取得の手続きを進めるほか、測量や基本・実施設計などにも着手する計画となる。
新年度予算では、前年度に引き続き、4本の重点項目に「王国もりやの未来創り」を加えた「フォープラスワン」の「もりやビジョン」について、進化し加速させる編成とした。一般会計に占める普通建設事業費は39億5637万円で、学校給食センター改築事業の事業費減少や愛宕中学校改修、守谷中学校増築事業などの大規模事業の完了などから、前年度当初比15.3%の減少となった。一方、その他の経費では、物件費が総合公園施設事業費など、維持補修費が道路補修事業費などにより増加している。
一般会計と特別会計、企業会計を合わせた総額は506億0508万円で、社会保障関連の特別会計の伸びや、農業集落排水事業特別会計の企業会計への移行などにより、全体では前年度当初比10.8%の伸びとなった。
主な事業のうち、御所ケ丘中学校校舎改修事業では、9月議会後に着工し、2カ年で工事を進める。この事業は、築後37年が経過するなど老朽化した校舎棟(RC造4階建て延べ6007平方m)を対象に、内外壁や設備などの大規模改修工事を行うもの。工事に当たっては、仮設校舎を設置して進めていく。設計は匠建築研究室(水戸市)が担当した。24年度末の完了を目指す。
総合公園新設事業では、都市計画決定や事業認可の取得手続、基本設計と実施設計などを行う。この事業は、市内の運動施設利用者が多いことや公園の不足、設備不良などにより利用しにくい施設があることなどを受けて、新たに総合公園を整備する。また、公園敷地内には、埼玉県戸田市にある現施設が老朽化していた東京ヤクルトスワローズの二軍施設の移転も計画している。
建設地は常総運動公園南側の約14haに決定。このうち、ヤクルト球団の二軍施設が約7万1000平方m、その他の公園施設が6万9000平方mを活用する。市が整備する公園部分については、屋内運動施設が約8000平方m、インクルーシブ施設が約3000平方m、多目的広場約1万平方m、広場や外構、駐車場が約4万平方mなどのほか、調整池に約8000平方mを想定している。現在はオオバ(東京都千代田区)による基本構想・基本計画を策定中で、3月にもまとめる。設計は24年度末までに策定するが、施設規模や概算事業費、整備スケジュールなどは基本設計の中で定めるもようだ。
郷州公民館改修事業は、1992年の建築で経年劣化が進んだ施設や設備の大規模改修を行うもの。施設規模は、RC造筋コンクリート造2階建て延べ889平方mで、工事ではエレベーターの設置や内外壁のほか、トイレや空調などの各種設備を改修する。設計はアーキテック(筑西市)が策定し、6月議会後の着工を目指す。
御所ケ丘小学校では、老朽化した体育館(S造平屋760平方m)の大規模改修工事を行うほか、避難施設のとして機能向上へ発電機能付きの空調設備を設置する。6月議会後の7月ごろに着工し、来年2月までの工事完了を目指す。設計は桜設計事務所(水戸市)がまとめた。
このほか、守谷SAのスマートIC関連事業では、道路設計や交差点設計などに着手する。避難所となる小学校3校(郷州小学校、守谷小学校、松前台小学校)では、空調設備や非常用電源を整備していく。
新守谷駅周辺土地区画整理事業では、土地区画整理組合への負担金など2億7027万円を計上し、アクセス道路や電線地中化、雨水幹線整備などを支援する。
守谷駅と市役所周辺を結ぶ都市計画道路西口大柏線には4541万円を確保した。詳細設計や地盤調査、地盤解析、用地測量、路線測量などを実施していく。
新守谷駅周辺地区ではバリアフリー基本構想策定支援業務委託料に929万円を予算化し、駅周辺や歩道橋などの周辺施設ですべての者の移動の円滑化や施設利用の利便性と安全性の向上を図る。
市道整備改良事業費には5億2785万円を予算化し、工事では市道109号線の歩道設置や、市道3002号線の新設などを行う。
公共下水道事業では、浄化センター改築工事に1億0032万円を計上したほか、汚水管布設工事に6859万円や、雨水管布設工事に2億0240万円などを確保している。
また、24年当初ごろの着工が見込まれている市庁舎の増築事業については、資材の高騰などを受けて、当初予算での予算確保を見送っている。