豪雨水害の抜本対策推進 普通建設費は8億円規模 (23年度予算案 宮城県 山元町)
[2023/2/22 宮城版]
山元町の橋元伸一町長は21日、記者会見を開き2023年度予算案を公表した。一般会計は前年度比8.9%減の82億0398万円を計上し、普通建設事業費は8億8000万円規模となる。橋元町長は公約に掲げた町内の豪雨水害に対する抜本的対策を最重要事項に掲げ、予算は浚渫のほか、排水不良箇所の解消へ橋梁の架け替えや坂元川の排水方策検討といった事業に重点配分している。同町は予算案など22議案を27日開会の町議会定例会に提出する。
23年度の一般会計は、公営住宅建設事業債の繰上償還を理由とした公債費約13億円の減が影響し微減となったものの、土木費や総務費など増額になっている科目が多く、実質的には22年度予算と同程度の規模となる。
会見で橋元町長は予算について「これからの社会の課題や時代の要請に柔軟に適応しつつ、公約実現に向けた施策に重点を置いた編成とした」と説明し、「昨年の選挙当選後、一年をかけて町の施策を整理した。子育て支援のほか、町民の安心・安全を守るため、豪雨水害に対する抜本的対策を進める」と力を込めた。
重点施策となる豪雨水害対策には、排水不良箇所の解消へ、町道南山下線(新井田橋)に工事費9500万円を措置。浅生原山下地区で排水路からの越水による冠水被害がたびたび発生しており、排水路に架かる同線の新井田橋の構造も一因と考えられるため架け替える。橋は橋長4.5m、幅員4.7mのRCT桁橋。
このほか坂元地区の対策として、坂元川排水対策事業に排水方策整理・詳細設計業務委託費1200万円を措置。大雨時の湛水対策として排水不良を起こす要因を探り、対策を講じる方針。花釜地区では排水能力向上へ既設排水ポンプの改修や調整池整備に2000万円の事業費を付けた。
道路関係では幹線道路などの整備事業に計5億3981万円を措置し、うち道路新設改良事業に3億7081万円、社会資本整備総合交付金事業に1億6900万円を配分。津波防御の3線堤として整備する中浜滝の前線に工事費(補償費含む)2億4940万円や、亘理用水路東線道路改良に工事費9200万円のほか、横山藤崎線の道路測量設計委託費800万円などを付けた。
教育費には旧坂元中学校の改修に工事費6774万円を計上。今後の利活用も視野に校舎と体育館を改修する。
企業会計を見ると水道事業には水道施設・配水管更新工事などに7700万円、下水道事業には山元浄化センターの再構築に向けた耐震実施設計委託費1320万円などを盛り込んでいる。
■山元町 主な会計別予算案 2023年度 | (単位万円) |
会計区分 | 予算額 | 前年度比 (%) |
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一般会計 | 82億0398 | △8.9 | ||
企 業 会 計 |
水道事業 | 5億5201 | △5.0 | |
建設改良費 | 9,098 | △16.0 | ||
下水道事業 | 10億6656 | △3.1 | ||
建設改良費 | 1億0500 | △0.3 |