新病院は2万平方m規模 事業費は181億円(柏市が基本計画案)

[2023/2/18 千葉版]

 柏市は、柏市立柏病院の現地建て替えに向けて、医療機能や必要諸室などを定めた「柏市立柏病院再整備基本計画」案をとりまとめた。240床の新病院を建設する計画で、延床面積は2万0160平方m程度、事業費(税込)は総額181億2000万円を概算している。事業手法はECI方式を採用、2023~24年度に設計をまとめ、病院を運営しながら25年度に着工、28年度ごろの開院を目指す。23年度予算案には、設計等委託料として2カ年で5億6000万円を計上している。

 基本計画案は、基本構想にあたる「市立柏病院のあり方」(2018年3月策定)をふまえ策定した。

 新病院に期待される役割と機能強化の関係については▽小児二次医療▽急性期医療▽在宅復帰支援▽日常的疾患対応▽セーフティネット医療──の5項目を設定。脳神経外科と救急科(総合内科医)を新設、予定標榜診療科は18科とする。また、「患者サポートセンター」と「高度治療室(HCU)」の2部門をあらたに設置。救急外来や感染症対策、災害対策の拡充を図る。

 病床数は、現在の200床から40床を増床し、240床とする。内訳は、急性期一般病棟196床程度、HCU4床、地域包括ケア病棟40床程度。

 延床面積は、病院の1床当たり延床面積を84平方mに設定することで、2万0160平方m程度を見込む。敷地面積は3万3620平方m程度。駐車場台数は500~550台程度を確保する。

 建物配置については、北側・中央・南西側の3案を検討。「中央案」は、建設工事の難易度が高くなるものの、既存建物の事前移設や解体により建設が可能なことから「最良」と判断した。

 そのため、事業手法は、工事の難易度を考慮、実施設計段階から施工者の技術協力を得るECI方式とする。同方式では、実施設計を設計事務所に発注し、24年度に建設業者を施工予定者(優先交渉権者)として選定。その後、実施設計図に基づき建設工事を発注する。

 耐震性能については「I類」を確保。災害に備え、非常用発電装置を整備、水道水を基本に井戸水の利用も検討する。また、ZEB化を想定、太陽光発電設備の設置を検討する。

 附属施設のうち、一般療養棟(A棟)と認知症療養棟(B棟)からなる「介護老人保健施設はみんぐ」は、B棟を解体・撤去し、敷地内に仮設を設置する。既存の認可外保育所は解体・撤去し、新たに病児・病後児保育を含む院内保育所を整備する。医師宿舎・看護師宿舎は、民間賃貸住宅の借上げで対応する。

 事業費の内訳は、事前移設を含む建築工事費115億9000万円、医療機器の整備費33億6000万円、ZEB化想定14億1000万円、解体費4億8000万円、設計・監理7億円、外構工事3億円、設計・開院支援1億8000万円、移転費1億円。

 「柏市立病院のあり方」で算出した事業費102億円と比較すると、240床への増床や建設費高騰などにより建築工事費全体で約1.5倍、ZEB化想定など経費を加えると事業費全体としては約1.8倍となった。

 基本計画策定支援等業務はシステム環境研究所・東京事務所(東京都中央区)が担当している。

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