配水場建設に20億円 当初予算 新スタでまちづくり調査(鹿嶋市)
[2023/2/17 茨城版]
鹿嶋市(田口伸一市長)の23年度当初予算案は、一般会計に前年度当初比2.2%減の234億4900万円を計上する。一般会計に特別会計7会計と企業会計3会計を加えた予算総額は438億6289万円で、前年度当初を16億4000万円、率にして3.9%の伸びとなった。主なものでは、新配水場建設事業で管理棟建設工事費として3カ年で総額9億8085万円の継続費を設定したほか、配水場の第2配水池整備を実施する。このほか、アントラーズの新スタジアム整備を核とした周辺まちづくりの実現可能性調査委託料や、可燃ごみの広域処理事業と新可燃ごみ処理施設建設事業に係る鹿島地方事務組合への負担金も盛り込んでいる。
一般会計を性質別でみると、普通建設事業費は地域子育て支援センターの整備が完了したことや、歴史資料館整備事業の中止などにより、40.1%減の11億2760万円となった。特別会計は、7会計の合計が対前年度比で4.1%増の132億2243万円。企業会計は水道事業の配水場建設費が大幅増となったことや、農業集落排水事業が企業会計に移行したこともあり、3会計あわせて29.8%増の71億9145万円となった。
新年度の主な事業を見ると、水道事業の資本的支出で、配水場建設費に工事費19億8077万円を計上。この事業は、現在鹿島区域で使用されている宮中浄水場と高天原配水場が老朽化していることから、同区域に新たな配水場(鹿島配水場)を整備するもの。建設地は宮中4820-1ほかで、配水区域は鹿島区域全域となる。配水池の規模は5700立方mとし、2基の整備を計画する。22年度は1基目の配水池を整備した。23年度は2基目の配水池や配水場からの送水管を整備するほか、25年度までの3カ年で管理棟の建設に着手する。管理棟の規模はRC造2階建て、延べ550平方m程度で計画。その後、外構などの工事を26年度までに行い、27年4月の供用開始を目指す。新配水場の詳細設計業務は、吉沢水道コンサルタント水戸事務所(水戸市)が担当した。
総務費では、総合戦略推進事業費で新スタジアム建設・周辺まちづくりの実現可能性調査委託料に1540万円を予算化し、引き続き鹿島アントラーズの新スタジアム建設に適したエリアや建設地周辺のまちづくりについて調査検討を進める。具体的には、建設候補地をいくつか選定したうえで、新スタジアムの敷地条件や施設概要、周辺に必要となる施設、インフラなどについてまとめていく。アントラーズ側との共通認識を持って事業を進めていきたいとの考えから、22年度は鹿島アントラーズエフシー(鹿嶋市)に調査業務を委託した。担当課によれば、23年度分の発注方法などについては、現時点では未定だという。
土木費には、大規模都市公園管理費で施設改修工事費1億0930万円を計上。市が策定した公園長寿命化計画に基づき、23年度は大野潮騒はまなす公園のトイレと遊具と鹿島城山公園の四阿の改修工事を実施していく予定だ。
市営住宅管理費には施設改修工事費1億円を確保し、平井団地の1、2号棟の外装と給水管の改修工事を行う。なお、実施設計業務はアトリエ10一級建築士事務所(鹿嶋市)が担当している。
道路関係は、道路維持補修費に2億3655万円を予算化して、市道の維持補修工事や路面再生工事を行う。その他の市道整備事業は、市道2205号線(浜津賀)の測量設計委託料や3179号線(棚木)の道路改良舗装工事費など1億1578万円を計上し、幹線道路以外の一般市道を整備する。
幹線道路整備事業は、市道0157号線(荒野)と0151号線(武井)で道路改良工事などを実施するため、1億0150万円を予算化。橋りょう長寿命化事業は2100万円を確保し、23年度は14橋の定期点検を予定している。
一般廃棄物広域処理事業は、広域鹿嶋RDFセンターおよび広域波崎RDFセンターの運営・維持管理費などの鹿島地方事務組合への負担金7億4751万円を計上するとともに、新可燃ごみ処理施設の建設事業や関連諸費用にかかる負担金2億6281万円を支出する。