保育所改修に2億円 当初予算 第5分団詰所で移転改築(古河市)
[2023/2/16 茨城版]
古河市の針谷力市長は10日の記者会見で、23年度当初予算案の概要を説明した。それによると、一般会計は対前年度当初比2.4%増の519億円で、2年連続の伸びを示し過去最大の積極的予算編成となった。予算編成にあたっては、「地域活性化の推進」「GXおよびDXへの投資」「包摂社会の実現」に重点を置いた。主なものでは、第三保育所長寿命化工事費に2億0373万円の継続費を設定したほか、第5分団詰所の移転改築費に1億4539万円、賑わい創出プロジェクト事業で古河総合公園の改修工事費などを計上した。また、新たに下大野線整備事業に着手するとともに、古河第一中学校長寿命化事業と総和地域交流センター整備事業では実施設計を策定する。
一般会計に特別会計8会計と水道事業会計、下水道事業会計を加えた予算総額は919億2795万円で、前年度当初と比べると2.3%の伸び率となった。一般会計に占める普通建設事業費は30億9295万円。古河市斎場の大規模改修工事費や第5分団詰所建替え工事費の計上などにより、前年度当初を6億3690万円、率にして25.9%上回った。
第三保育所長寿命化事業には、23-24年度の2カ年で総額2億0373万円の継続費を設定。新年度には長寿命化工事へ着手する。日常保育を行いながらの工事となるため、安全には十分に配慮して施工する考えだ。保育所は中田地内に立地しており、敷地面積は2762平方m。定員は100人で、園舎の規模は木造平屋808平方m。建築後20年が経過して、施設や設備の老朽化が進んでいるため、長寿命化対策を行うことになった。実施設計は早川建築事務所(水戸市)が担当し、3月までに策定する予定だ。
第5分団詰所・車庫整備事業は、住宅密集地における消防力強化の一環として実施する。既存施設は西町1-25に立地しているが、敷地が狭いため、南側の市有地へ移転して建て替える。当初予算には移転先に建っている旧軽部医院の解体工事費と詰所・車庫の新築工事費に1億4539万円を計上した。新詰所と車庫はS造平屋約130平方mの規模を見込む。解体する建物の規模は木造平屋135平方m。設計は桜設計事務所(水戸市)で策定した。また、24年度には既存の第5分団詰所の解体工事を行う予定だ。
賑わい創出プロジェクトでは、観光資源の磨き上げと拠点の整備を行う。イベント事業に6460万円、道の駅「まくらがの里こが」管理運営事業に8513万円、古河総合公園整備事業に2319万円、ネーブルパーク整備事業に2552万円を投じる。道の駅では更なる集客力の向上と賑わいの拠点整備を目指して、敷地の西側へ大型遊具を設置するほか、ウッドデッキの改修工事を行う。総合公園では花桃の植栽とカキツバタ園の整備を予定。ネーブルパークでは来園者の増加を図るために、玄関口の広場にパーゴラを設置し、水遊び場周辺の日除けを確保する。
下大野線整備事業は、23年度に完成する柳橋下大野線(筑西幹線道路)の西側延伸事業として実施する。下大野線は、県道境間々田線から都市計画道路東牛谷釈迦線までの区間の整備が予定されており、新年度には路線測量と道路の予備設計を策定する見込み。
古河第一中学校長寿命化改良事業は、施設の老朽化が著しい校舎と体育館の改修工事を実施する。21-22年度には横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で基本設計をまとめた。22-23年度で実施設計を策定し、24年度には体育館、25-26年度に普通教室棟、26-27年度に特別教室棟、27-28年度に管理棟の改修工事を行う予定。校舎はRC造一部S造4階建てで、普通教室棟は延べ4710平方m、特別教室棟は776平方m、管理・特別教室棟は1388平方m、体育館は1533平方mの規模となっている。
総和地域交流センター(仮称)整備事業は、総和地区にある公民館などの老朽化に伴い、中央公民館を建て替えて、代替施設として地域交流センターを建設するもの。建設場所は下大野で、中央公民館の南側駐車場とする。中央公民館は、市役所総和庁舎の東側約6800平方mの敷地に立地しており、総和庁舎敷地を含めた全体の敷地面積は約2万3000平方m。新施設は約2100平方mから2500平方m程度の規模を想定。設計は昭和設計東京事務所(東京都港区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVが担当しており、24年1月末までにまとめる予定だ。
新公会堂整備推進事業は、基本構想・基本計画の策定に入る。現在、公募型プロポーザルで「新公会堂(仮称)基本構想・基本計画策定支援業務委託」に係る事業者の募集を行っている。委託期間は25年3月31日まで。23年度には基本構想に着手するとともに、12月までに建設候補地を選定する見通し。新公会堂は30年度ごろの開館を目指していく。
このほか、施工中の古河市斎場では新火葬棟の建設工事と火葬炉3基の設置工事を行う。小中学校施設管理事業では古河第三小学校、中央小学校、水海小学校、諸川小学校、古河第三中学校を対象に体育館の照明のLED化を図り、コストダウンや災害時の避難所としての機能向上を見据える。