普通建設費は257億円 3地区で盛土対策工事(宇都宮市予算案)
[2023/2/15 栃木版]
宇都宮市(佐藤栄一市長)は14日までに、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比2.5%減の2189億8000万円で、投資的経費はJR宇都宮駅東口整備事業の終了やLRT整備事業費の減などにより、34.5%減の258億0839万円(うち普通建設事業費が34.6%減の257億1072万円)となっている。建設関連では、北西部地域体育施設の基本設計、大谷公園の再整備設計、旧篠原家住宅の耐震補強設計などを策定。カーボンニュートラルに向けた施策では、各施設で照明LED化を進めていく。防災対策は、大規模盛土造成地の滑動崩落防止工事を行う。 =2面に主要建設関連事業と予算額
23年度当初予算案について市は、「スーパースマートシティ」実現の加速化へ、人口減少対策の強化、ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)の形成、地域共生社会・地域経済循環社会・脱炭素社会の創出、デジタル技術利活用の推進、安全・安心なまちづくりなどに取り組むとしている。
主な建設事業は▽宇都宮駅西口周辺地区整備5億3020万円▽市営住宅の再生9億9181万円▽LRTの整備13億3722万円▽道路新設改良17億5441万円-など。宇大東南部第1土地区画整理事業を含む6地区の区画整理には57億2215万円を計上した。LRTは宇都宮駅東側で8月の開通を目指しており、西側でも駅西側の開通に向けた軌道運送高度化実施計画案の作成に着手する。市営住宅は、宝木で耐震補強工事を進めるほか、宝木と瑞穂野で団地再生基本計画を策定する。
特別会計は、競輪事業251億15873万円(前年度当初比17.5%増)、鶴田第2土地区画整理事業11億2822万円(同3%増)、宇大東南部第1土地区画整理事業4億5761万円(同12.6%増)、同第2土地区画整理事業11億5021万円(同10%増)、岡本駅西土地区画整理事業5億3368万円(同2.2%減)-などとなった。
企業会計は、水道事業の資本的支出に107億3021万円(同1.9%増)、下水道事業の資本的支出には123億6482万円(同0.3%増)、中央卸売市場事業の資本的支出では16億4003万円(同6.5%減)を計上した。
主要事業をみると、小中学校整備には33億4627万円を計上した。校舎の長寿命化対策で上河内中学校は実施設計、西小学校などは工事を実施する。体育館は城東小学校が実施設計、西原小学校と清原南小学校が工事を行う。体育館の改築では、横川中央小学校で実施設計に着手する。清原中学校ではエレベータ棟建設へ、実施設計を策定する。
体育施設の整備には、21億7236万円を計上した。着工した宮原運動公園野球場の改築工事を進めるほか、北西部地域へ体育施設を整備するため、基本設計費を計上している。清原球場は、大規模改修に向けた構造・劣化状況等調査や整備内容の検討を行う。空調の設置では、河内体育館やスケートセンターで設計に着手するほか、明保野体育館は23.24年度の2カ年で設置工事を行う。
消防団詰所の整備は、平石分団第5部など7カ所の改築に3億0558万円を計上している。住宅地等の防災・減災対策では、叶谷・横山・鶴田の3地区の大規模盛土造成地の滑動崩落防止工事に5億3188万円を配分した。
河川整備は、都市基盤河川として奈坪川、準用河川で越戸川・大規模谷地川・鎧川など、普通河川で新川・給分川の整備に、18億5264万円を計上している。
都市計画道路は、宇都宮日光線(一条)、産業通り(陽東I・II)、鶴田宝木線、塙田平出線、産業通り(大和)の整備に7億1424万円、道路新設改良は5340号線など15路線の整備に17億5441万円を配分した。
大谷地域の観光振興では、着工した大谷観光周遊拠点施設の整備などに加え、大谷公園の再整備実施設計に着手する。森林公園でも、再整備に向けた事業者募集選定等で1221万円を配分している。八幡山公園などでも、民間活力導入に向けた検討を進めるため、1720万円を配分した。
歴史文化資源では、飛山城跡の木橋架け替えの実施設計の委託料で825万円、旧篠原家住宅の耐震補強設計の委託料で914万円を配分した。公共施設のトイレ洋式化・バリアフリー化については、27施設での整備で2億3275万円を計上している。
中央卸売市場では賑わいエリアを整備するため、1億3722万円を計上している。3月にも募集要項を策定して事業者を公募型プロポーザル方式で募集し、24年度初めまでに選定する。
脱炭素化に向けては照明LED化を進めるため、道路照明や公園外灯等でのESCO事業には7123万円、屋板運動場や美術館など25施設のLED化には6億6519万円を計上した。
上下水道事業は、今市浄水場の更新工事、松田新田浄水場の薬品注入設備等更新工事、老朽配水管更新1万8570mに加え、下河原水再生センター再構築工事、川田水再生センター特高受変電設備等更新工事、老朽下水道管2247mの整備等として81億7669万円を計上した。
災害に強い上下水道の確立には、16億2076万円を計上した。下水道雨水幹線の整備、調整池築造整備工事、松田新田浄水場急速ろ過池の耐震化工事などを行う。
生活排水処理施設の最適化事業には、5億6247万円を計上している。下平出・平出・柳田の各地区で農業集落排水処理施設の管渠等を修繕し、清原工業団地排水処理施設では汚泥脱水機更新工事などを実施するという。