新保健施設に14億円 当初予算 新長戸コミセンを移設(龍ケ崎市)
[2023/2/14 茨城版]
龍ケ崎市(萩原勇市長)はこのほど、23年度の当初予算案を発表した。一般会計の総額は、前年度当初比7.8%増の277億7000万円で、これまで最大だった21年度当初額(257億8200万円)を上回る過去最大規模となっている。主な事業では、新保健福祉施設建設事業に総額14億1280万円、新長戸コミュニティセンター建設事業に総額4億1045万円の2カ年継続費をそれぞれ計上した。このほか、森林公園リニューアル事業にも2カ年継続費に6億7701万円を確保し、パークPFIによる民間事業者を活用しながら再整備を進めていく見通しだ。
予算編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症や物価高騰などの影響により、市民生活や社会経済活動を取り巻く環境は厳しい状況が続く中で、市民サービスの水準を維持し、市のまちづくりの指針となる「龍ケ崎みらい創造ビジョンfor2030」で、重点的かつ優先的な取り組みを進める事業に重点的に配分した。また、国の補正予算に関連する新型コロナウイルス感染症対策関連経費や佐貫3号線整備事業等については、本年度補正予算に計上し、23年度事業と一体的に執行する予算編成としている。
一般会計に占める普通建設事業費は23億9676万円で、3月補正での前倒しも多いものの、大型事業の着工や小中学校施設整備、公園整備、道路改良、償還金などにより前年度比41.2%の増加となった。特別会計を含めた総額は、社会保障関連の伸びなどにより全会計で前年度比増額となっていることから6.7%増の434億1100万円。一方で、下水道事業会計は償還金の減額などにより、収益的支出・資本的支出の総額で前年度比1%減の37億2320万円となった。
主な事業のうち、新保健福祉建設事業では、9月定例市議会で議決が得られるよう、入札手続きを進める。この事業は、保健センターと総合福祉センター、地域福祉会館の3施設を統合し、複合化と多機能化を図るもの。建設地は市役所東側駐車場(寺後3543)を活用し、施設規模は約2700平方m程度で計画している。設計はつくば建築設計事務所(龍ケ崎市)が担当し、6月ごろまでにまとめる予定だ。9月議会後に着工したあと、23-24年度の2カ年で工事を進め、25年度当初の供用開始を目指す。
新長戸コミュニティセンター建設事業は、高作町にある現施設が老朽化や駐車場不足などの問題があるため、現在地北側にある旧長戸小学校跡地(半田町55)に移転して改築するもの。新施設の想定規模はS造平屋約500平方m程度で計画する。設計は秋山建築設計事務所(龍ケ崎市)が担当し、23年度に着工して24年度中の完成を目指す。建設地にある既存施設のうち、体育館とグラウンドはそのまま存続させる計画で、23年度は体育館の改修工事も予定されている。
森林公園では施設老朽化などからパークPFIを活用してリニューアル工事を行う。市北部の泉町にある森林公園は、面積約12.7haの都市公園で1999年7月に開園した。現在は指定管理者制度などを導入して維持管理をしているが、市民に長く愛されるよう、ニーズに対応したリニューアルを行うため、パークPFIなどの民間活力を利用した新たな管理運営手法を導入し、公的な施設整備分を市が負担金として補助を行う。第2次緑の基本計画によると、キャンプやバーベキューなどアウトドアを気軽に楽しめる観光交流拠点としての整備や、アスレチック施設などの充実などを想定する。
このほか、横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)により基本設計をまとめている施設一体型小中一貫モデル校整備事業では、実施設計委託料に2カ年総額1億1630万円を確保する。この事業は、北竜台地域の小中学校3校(永山小学校、松葉小学校、長山中学校)について、施設の老朽化や少子化などから小中一貫校として整備するもの。建設地は長山中学校の敷地内を活用し、既存施設を活用しながら必要な校舎などを増設する。設計は23年度中にまとめ、26年度までに既存校舎などの長寿命化や新規校舎の整備などを行い、27年度に長山中学校を受入れ校とした義務教育学校を開校する。
DB方式で進めている新学校給食センター整備事業では、23年9月の供用開始を目指す一方、第二学校給食センターの解体工事にも着手するため、事業費7713万円を予算化。市道第1-380号線(佐貫3号線)整備事業では、3月補正での前倒し分1億7000万円を含めて総額2億9150万円の事業費を確保する。また、電子入札の導入向けて事業費530万円を確保している。