消防署で空調更新 当初予算 波崎中継施設の整備着手(鹿島地方事務組合)

[2023/2/10 茨城版]
 鹿島地方事務組合(管理者・石田進神栖市長)の23年度当初予算は、一般会計に前年度当初比3.7%増の1億1034万円を計上した。一般会計に特別会計3会計を加えた予算総額は116億7048万円で、前年度当初を37億9334万円、率にして48.2%の伸び率となった。主なものには神栖消防署の冷暖房設備更新工事費のほか、波崎消防署の庁舎外壁・屋上防水工事の設計委託料と空調機の交換工事費などを盛り込んだ。また、ごみ処理施設関連では波崎中継施設の整備工事に係る発注支援業務委託料などを予算化している。

 神栖消防署管理費では、設計監理委託料171万円と庁舎等修繕工事費4684万円を確保。冷暖房設備が経年劣化によりたびたび故障が発生しているため、更新工事を実施する。庁舎は1階が神栖消防署、2-3階が消防本部となっており、1988年に建設された。建物の規模はRC造3階建て、延べ面積は1564平方mとなる。

 波崎消防署では、庁舎の空調機交換工事を行うため、設計監理委託料で260万円と工事費1753万円を予算化した。また、老朽化した庁舎の外壁・屋上防水工事に向けて設計費407万円を計上。外壁・屋上防水工事については、24年度に実施する予定だ。庁舎は92年建設で、規模はRC造2階建て、延床面積は749平方mとなる。

 ごみ処理施設整備関連では、新可燃ごみ処理施設と鹿嶋中継施設の整備を完了させるほか、波崎中継施設の整備に向けて発注支援業務委託料に2167万円を確保した。

 新可燃ごみ処理施設は、152億7042万円を投じて神栖市東和田に立地する鹿島共同再資源化センター敷地内、砂山都市緑地に面した敷地の東側約1万平方mに建設している。施工は三菱重工環境・化学エンジニアリング(神奈川県横浜市)が担当。新可燃ごみ処理施設はエネルギー回収型廃棄物処理施設で、処理方式は全連続運転式ストーカ炉方式、建物はSRC造地上6階、地下1階建てで、1日あたりの最大処理能力は230t(24時間稼動、115t×2炉)。建設工事は10月ごろの完成を見込み、その後試運転を経て、24年4月の本格的稼働を目指す。23年度はこのほか、施設の案内板の設置工事を実施する。

 中継施設は、ごみ運搬の効率化や周辺の交通渋滞の緩和を図る目的で整備するもので、小型車により市内で収集したごみを圧縮して大型車に詰め替え、そこから建設中の新可燃ごみ処理施設へ運搬する。鹿嶋市と神栖市の2カ所に設置し、鹿嶋中継施設は、鹿嶋市平井の衛生センター敷地内に新明和工業(兵庫県宝塚市)が建設中。加えて来年度は、中央分離帯開口工事と出入口工事を行う。新可燃ごみ処理施設の運用開始に合わせて、24年4月の供用開始を見込む。

 波崎中継施設は、神栖市波崎に立地する広域波崎RDFセンターを改修して利用する。施設は稼働中のため、工事は新可燃ごみ処理施設完成後の発注を予定。可燃ごみ中継施設整備基本計画によれば、総合評価方式やプロポーザル方式による発注方式を想定しており、26年4月の供用開始を目指していく。

 このほか、鹿嶋消防署では庁舎トイレの全面改修工事費、鹿島港消防署では車庫オーバースライダー改修工事費などを計上。また、鹿嶋と波崎の広域RDFセンター機械設備更新工事費などを予算化している。

 同組合は、神栖市と鹿嶋市の2市で構成された一部事務組合で、公設鹿島地方卸売市場やごみ固形燃料(RDF)化事業、広域消防事業の管理・運営などを行っている。

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