来年度に改修設計 学校跡地で子育てと教育施設(利根町)
[2023/2/9 茨城版]
利根町はこのほど、学校跡地利活用方針を決定し、あわせて「学校施設利活用計画書」をまとめた。計画では、文小学校と文間小学校の跡地について、それぞれの利活用形態を示し、それぞれを町民活動の拠点や災害時避難場所の確保などとした上で、文小学校では健康や子育て、文間小学校では教育・学習機能などを重点に整備を進める考えで、23年度にも改修設計に着手する。
町では、現在3校ある小学校(文小、布川小、文間小)を布川小学校内に統合し、本年4月に「町立利根小学校」として開校する準備を進めている。受け入れ先となる布川小学校では本年度、統合に向けた改修工事などが行われた。
統合により廃校となる文小学校と文間小学校の跡地については、21年7月に利活用検討委員会が設置され、有効的な利活用に向けて検討を進めてきた。昨年5月に開かれた第4回会合では、利活用方針案と利活用計画書案のたたき台が示され、パブリックコメントなどを行いながら2校の方向性について協議を進めてきた。たたき台では、両施設ともに公共的な要素の強い施設とするため、施設整備などについても町が主体となって行うほか、一部運動場やプールなどについては、民間の活用も視野に検討するとされた。
このうち、文小学校では、運動場を公園や広場として利用する考えを提案。遊具の設置や子どもたちが走り回れるような空間を整備するなど、子育て世代が活用できる空間を目指している。今回明らかにした活用計画書によると、第2運動場とプールについては、民間活用も視野に検討すると明示。また、校庭には大型遊具の設置や広場の整備、特別教室棟については、防災用品の備蓄や文書保管倉庫などへの活用を想定している。
また、管理教室棟では1階に健康増進機能を設置し、トレーニングルームや更衣室、シャワールーム、介護予防事業と連携した健康づくりの場などを整備する。2階には、屋内遊具やキッズームなどを設置した子育て支援・交流施設や放課後児童クラブのほか、町社会福祉協議会を移転する。3階は小学生から大学生向けの学習スペースや、町民団体の共用スペース、テレワークなどにも利用できるコワーキング・フリースペースなどを設けるとしている。
一方、文間小学校では、「総合教育センター」としての活用を視野に整備を進める。具体的には、校庭や体育館を適応指導教室児童生徒の運動場とするほか、プールは民間活用を視野に入れて検討を行う。
このうち、管理・教室棟では、1階にコミュニティスペースや資料室、町民向けの会議室などを設置。2階には総合教育センターの機能を、3階には町民向け会議室などを設置する。
町では今後、利活用方針に基づき、校舎改修に係る設計・工事を行い、両施設ともに25年度の供用開始を目指して整備を行う。あわせて民間活用の検討も進めていく。改修工事では、公共施設とするための用途変更に伴うものが中心となるもよう。23年度には実施設計に着手し、24年度にも着工する計画だ。両校の体育館やグラウンドについては、準備ができ次第、23年度から暫定活用として、町民への開放を進めていく考え。