売上トップは東武建設 21年度建設業ランキング 177社で約4879億円(TSR)

[2023/2/8 栃木版]

 東京商工リサーチ宇都宮支店は7日までに、2021年度(21年4月~22年3月)県内企業の売上高ランキング・ベスト1000社をまとめた。このうち建設業は、ここ数年続いた大口案件の需要がピークを迎えたことで減少に転じ、20年度に比べ18社減の177社がランクインした。売上高は4878億9843万円で、前年度から102億1743万円、率にして8.1%増加している。業種別トップは東武建設(日光市)の262億0651万円で、以下は2位のトヨタウッドユーホーム(宇都宮市)、3位のパナソニックホームズ北関東(宇都宮市)、4位の栃木セキスイハイム(宇都宮市)までハウスメーカーが続いた。なお上位100社のうち、建設業は5社にとどまっている。
=2-3面に建設業関連業種も含めた売上高上位企業

 21年度はコロナ禍の影響が完全には払拭されてないものの、当初よりは影響が少ない1年だった。そのため、業種別ではランクインした1000社中、販売業およびその他の業種、製造業などの件数が増加した反面、前期増加した建設業のみ唯一件数が減少した。

 また、本県の売上高上位1000社の売上高合計は6兆0133億円で、前年度比9.7%の増収となった。業種別売上高は、販売業が2兆6470億円でトップ。件数が減少した建設業も含め、全ての業種で前年度実績を上回った。

 建設業の21年度は、自治体での大型公共投資や基盤整備事業、さらに台風被害に伴う災害復旧工事などの特需要因が薄れた結果、社数が前年度比18社減少した。売上高の合計は102億円の増加となった。

 21年度上位1000社のうち、建設業が占める構成比は、社数については17.7%で、前年度の19.5%から1.8ポイント低下した。建設業の売上高は8.1%を占めたが、前年度の8.7%から0.6ポイント低下している。

 建設業分類のうちトップは東武建設で、2位がトヨタウッドユーホーム(売上高230億1404万円)、3位がパナソニックホームズ北関東(同214億8395万円)、4位が栃木セキスイハイム(同161億5007万円)となった。8位にも、栃木ミサワホーム(宇都宮市)が85億3151万円でランクインするなど、低金利を背景に安定した住宅需要が続いている。

 5位の渡辺建設(宇都宮市)からは市町を代表する建設企業が並び、6位に中村土建(宇都宮市)、7位に浜屋組(矢板市)9位に増渕組(宇都宮市)、10位に板橋組(小山市)がランクイン。地域中堅企業の強みを発揮して建設需要を取り込んだ。

 なお1000社の中で、売上高上位100社の売上高合計は前年度から10.3%増の3兆6770億円で、金額ベースでは前年度比3421億円の増加。1000社全体の構成比は61.8%で、前年度の60.8%から上昇した。

 売上高ベスト100社にランクインした企業のうち、ランクアップした企業は35社で、前年度比1社の増加。前年度と同位は7社で同じく9社減、ランクダウンした企業は58社で8社増となった。建設業については、ランクアップが3社、同位が0社、ランクダウンが2社となっている。

 12年度は東日本大震災からの復興需要や耐震工事などがあり、建設業が売上を伸ばした。13年度も太陽光発電の特需や公共工事の安定受注で、建設業の業績が好調に推移。14年度は消費増税の反動が大きく消費停滞が長引いたが、建設業は一定の受注量を確保した。

 15年度はアベノミクスの「新三本の矢」が発動され、16・17年度は首都圏を中心に再開発事業の特需を反映して建設業が増加した。18・19年度は米中貿易摩擦の影響、20年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、特に製造業や販売業が件数を落とした一方、建設業は相対的に増加したほか、大口案件の需要もあって件数を伸ばした。21年度はコロナ禍の影響が低下し、大口案件の需要もピークを迎えたことで、建設業は18年度と同数まで減少した。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.