本県は85%で1875立方m 公立学校の木材利用状況(文部科学省)

[2023/02/02 茨城版]
 文部科学省はこのほど、公立学校施設における21年度の木材利用状況調査結果をまとめた。21年度に新しく建築された全ての学校施設690棟のうち、全体の75.4%(前年73.9%)に当たる520棟に木材が使用された。木材使用量は、前年(3万9572立方m)から21.8%増の4万8185立方mとなった。本県では、全27事業のうち、日立市立中里小中学校校舎など木造施設9棟を含む計23棟に使用され、使用率は85.2%で、使用量は1875立方mとなっている。

 文科省では、▽学習環境の改善▽地場産業の活性化▽地球環境の保全▽地域の風土や文化への調和──などの効果や意義のもと、学校施設に対する木材の利用を進めている。学習環境の改善では、柔らかで温かみのある感触や優れた調湿効果による、豊かで快適な学習環境の形成や、森林の保全、地域の産業や地球環境問題などについて学習する教材としての活用を意義に挙げている。

 この調査は、全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)を対象に、木造施設の整備状況や非木造施設における内装木質化の状況、学校施設の木材使用量などについて調査したもの。

 それによると、21年度に新しく整備された690棟のうち、木造が全体の18.1%に当たる125棟、非木造(565棟)のうち内装木質化などが同57.2%に当たる395棟となり、合わせて520棟(75.4%)に木材が使用された。

 木材使用量を見ると、木造のうち国産材は1万1219立方m(81.2%)、非木造のうち国産材は1万6309立方m(47.5%)で、これらを合わせると使用した全木材の57.1%(2万7527立方m)が国産材となった。

 595棟の建物用途を見ると、校舎・園舎は295棟(木造44棟、非木造の内装木質化など251棟)、体育館が94棟(木造7棟、非木造の内装木質化など87棟)、体育館が80棟(木造9棟、非木造の内装木質化など71棟)、武道場が12棟(木造1棟、非木造の内装木質化など11棟)、寄宿舎が22棟(木造20棟、非木造の内装木質化など2棟)、その他(倉庫、屋外トイレ、部室、プール付属室など)が111棟(木造51棟、非木造の内装木質化など60棟)となった。

 本県の内訳を見ると、新しく建築された27棟のうち、85.2%に当たる施設で木造または非木造の内装木質化などとなった。木造の主なものでは高萩市立たかはぎ認定こども園や日立市立中里小中学校など9棟あり、非木造の内装木質化などでは、鉾田市立大洋小学校や日立市立十王中学校など8棟となっている。このうち、中里小学校の整備では、垂木を大きくすることで構造材(大梁・母屋)を省略、簡略化し、コストの抑制を図ったとしている。

 これら県内の木材使用量は、全体で1875立方mに上り、このうちの46.1%に当たる865立方mが国産材となった。これらの内訳を見ると、木造では1140立方mのうち46.9%に当たる535立方m、非木造の内装木質化などでは735立方mのうち44.9%に当たる330立方mが国産材となっている。

 文科省では、今回の調査結果を受け、各地方公共団体に対して公立学校施設における木材利用の促進に関する通知を発出するほか、引き続き木造校舎の整備や内装の木質化に対する国庫補助を実施する。また、関係省庁と連携を図りながら、講習会等様々な機会をとらえて木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発していくとしている。

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