田中調節池の機能強化 越流堤移設や堤防整備 (利根川上流)

[2022/2/1 千葉版]
 国土交通省利根川上流河川事務所は、千葉県北部に位置する田中調節池について、治水機能を向上させる検討を本格化する。越流堤の移設や堤防の整備などを進め、治水容量を約1100万m3増大する計画。地元と調整しながら、早期の事業化を目指している。

 田中調節池は、我孫子市と柏市にまたがり、利根川と鬼怒川の合流点下流の右岸側に位置する。現在の洪水調節容量は約6100万■m3となっている。

 田中調節池の治水機能を向上させるため、越流堤を上流側に移設する。洪水調節容量を1100万m3増大させ、7200万m3規模とする方針だ。移設位置は、左岸にある稲戸井調節池越流堤の対岸付近を想定している。

 併せて、利根川と調節池を仕切る「囲ぎょう堤」や、調節池と堤内地を仕切る「周囲堤」の整備を進めていく。周囲堤は、かさ上げや拡幅を計画している。

 利根川下流部の治水安全度向上対策の計画段階評価では、「田中調節池の洪水調整機能の向上」案について、完成までの費用290億円、50年間の維持管理費用70億円をそれぞれ概算している。

 利根川上流河川事務所は「R5田中調節池整備等検討業務」の委託先を選定する簡易公募型プロポーザルを公示した。同業務では、洪水調節機能の向上に関する事業実施計画の検討のほか、関係機関との協議資料作成や調節池の構造検討、事業進ちょく監理方針などを担当する。履行期間は2024年3月下旬まで。

 プロポの参加資格は、関東地方整備局(港湾空港関係を除く)の「土木関係建設コンサルタント業務」に関する一般競争(指名競争)参加資格の認定を受けていることなどのほか、業務実績が要件となる。14日まで参加表明書、3月10日まで技術提案書をそれぞれ受け付けている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.