組合施行で区画整理 スマートIC周辺地区の開発(つくばみらい市)

[2023/1/31 茨城版]
 つくばみらい市が進めているスマートIC周辺開発事業について、組合施行の土地区画整理事業で進めることが分かった。施行予定区域の面積は約53haで、地権者数は92件となる。事業手法は業務代行方式を予定する。今後は、準備会発足に向けて、地権者から仮同意書の取得を進めていく。土地利用の方針については、3月に開催する地権者説明会の中で明らかにする予定。順調に行けば、本年度中に組合設立準備会を発足する。その後、23年度に業務代行予定者の募集・選定を行い、24年度に組合を設立し、事業を開始する見通しだ。

 市では上位計画において、つくばみらいスマートIC周辺を市の魅力を発信する新たなエリアとして、広域的な賑わいを創出するための「新産業・交流地域」に設定。6次産業化や都市農村交流などの展開も可能な複合産業施設の検討など、市の魅力を活かせる土地利用を計画している。

 この計画にあわせて、地域住民の意見を反映するために昨年度から勉強会を開催してきた。また、本年度から地権者説明会を開催。12月末には第2回の説明会を開催している。

 第2回説明会では、9月に実施した地権者意向調査の集計結果を報告した。意向調査では、土地利用方法や売却意向、開発計画などについて調査を行った。その結果、工業・商業系の複合的な土地利用を目的とする計画を進めることについて、条件付を含めて約95%が賛同となった。これを受けて、市では土地区画整理事業によって事業を進めていく方向性を示した。

 また、地権者からは「地元住民・市民の雇用を考慮できるような企業をお願いしたい」や「開発後、交通渋滞の起きない道路整備をお願いしたい」、「これまでの緑がなくなるので、道路などには樹木、または公園なども整備してほしい」、「地域活性化が見込めるような施設等をメインに土地利用検討を進めてほしい」などの意見が出たという。

 今後は準備会発足に向けて、地権者から仮同意書の取得を進めていくことになる。また、土地区画整理事業を進める際には、組合の設立準備から事業完了までの各業務について、豊富なノウハウを活かした民間事業者が代行する業務代行方式を採用することを想定する。そのため、23年度には業務代行予定者の募集を行う予定となっている。代行者の選定後は、権利調査や測量設計、事業計画の作成などを進め、24年度の組合設立を目指す。

 土地区画整理事業の準備と並行して、市では同地区の基本構想を進めている。昨年11月にはプロポーザルで基本構想の事業者に昭和(東京都千代田区)を選定。本年度末までに構想をまとめる予定となっている。

 この業務では、スマートIC周辺の施行予定地区を対象に、周辺地域の現況調査や市街地環境評価、整理課題の設定などを行う。あわせて、同施行予定地区の計画テーマやまちづくり基本構想を作成するほか、地権者との合意形成に向けた各種支援業務を実施していく。

 なお、土地利用について、勉強会では、観光農園や市民参加型家庭菜園、農業体験施設、大型商業施設、道の駅、公園・農村公園、ドッグラン、総合病院、介護施設などの意見が出ていたという。土地利用の詳細については、3月に開催予定の第3回地権者説明会の中で報告する予定となっている。

 つくばみらいスマートIC整備事業は、常磐自動車道の谷和原IC-矢田部IC間に新たにスマートICを整備するもの。設置場所は谷和原ICから水戸方面に3.7km、谷田部ICから東京方面に7.5kmの位置にある古川地内。同地は常磐自動車と県道常総取手線が交差する場所であり、そこにスマートICを設置していく。現在は23年度の供用開始を目標に整備を進めている状況にある。

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