市役所建替で複合化 公共施設再配置計画案 小中学校の適正配置推進(矢板市)

[2023/1/28 栃木版]

 矢板市は、計画期間を2046年度までとする公共施設再配置計画の改定案を明らかにした。それによると、小中学校は適正配置を推進するため東小や矢板小、矢板中などの長寿命化を図り、建て替えも検討する。片岡小と片岡中は統合し、小中一貫校とすることも計画。市役所は建て替えにあわせ、生涯学習館やコミュニティ防災センターを集約する。御前原公園は、修繕対応ができなくなり次第解体する。

 公共施設再配置計画は、17~26年度を短期、27~36年度を中期、37~46年度を長期に設定した。17年度に策定した市公共施設等総合管理計画では、公共施設保有量(総延べ床面積)を33%減少させるとしていたが、財源不足でさらなる縮減が必要となり、43%の縮減を目指す。

 前回の計画から改定した主な内容を見ると、閉校する泉中学校の施設は、泉公民館や泉はつらつ館、郷土資料館、きずな館を24年度を目途に複合化する。複合化後の各施設のうち、郷土資料館は譲渡を検討し、他の施設は解体する。

 片岡公民館およびコミュニティホールは、他施設への複合(移転)を検討しており、33年度までを目安に対応する。

 矢板市生涯学習館は、長寿命化改修による維持を図る。この施設では、新庁舎整備にあわせて一部集約を予定している一方、貸館などの機能は残して、指定管理者制度による管理を検討する。

 市立図書館は必要に応じて修繕や更新を含む老朽化対策を行うほか、長期的には更新時に近隣施設との複合化を検討する。複合化後の旧施設は解体する。

 泉中学校に移転予定の郷土資料館は、現在の施設の譲渡および貸し付けを検討する。荒井家住宅公衆トイレは、小規模修繕で対応できなくなった場合、短期期間中にも解体を行う。

 片岡トレーニングセンターは、指定管理者制度で施設運営を図る。老朽化で建て替えが必要になった場合は、施設の複合化および利活用を含めて検討する。矢板市運動公園内の管理事務所は、同公園相撲場との複合化を検討する。

 泉運動場は、前倒して短期期間中に近隣施設との複合化を検討する。旧長井小校庭や旧上伊佐野小校庭は学校施設を活用し複合化するが、具体的な内容はこれから検討する。

 八方ヶ原交流促進センター(山の駅)は、指定管理者制度で運営しつつ集客性や収益性を高めることで、民間への譲渡や貸し付けなどによる自立運営が可能か検討する。

 塩田ダム管理事務所や塩田・片俣放流警報局は、大規模修繕の必要性が想定される。陶芸用工房は、短期期間中を目安に城の湯温泉センターに統合する。

 小中学校施設は統合により、長寿命化や建て替えを検討する。豊田小と統合した東小、23年4月に川崎小の一部と統合予定の矢板小、同じく4月に泉中と統合予定の矢板中は、短期期間中の実施を計画する。

 28年4月に安沢小の一部および乙畑小と統合予定の片岡小も、中期に長寿命化と建て替えを検討する。統合後の片岡小は、片岡中と複合化し小中一貫校とすることも検討している。

 学校給食共同調理場は、小中学校の統廃合とあわせて集約化し、センター化も含めた検討を行う。泉学校給食共同調理場は、複合化にあわせ転用する。

 市こども未来館は修繕しながら長寿命化を図り、建替え時には複合化を検討する。川崎小、安沢小の学童保育館は、他の学童保育館へ統合する。

 市役所庁舎は老朽化のため建て替える方向で検討し、新庁舎整備にあわせて生涯学習館(庁舎)とコミュニティ防災センターを集約する。市分庁舎(旧法務局倉庫)は近隣施設への移転を検討し、移転後の施設は解体する。

 荒井、乙畑、上太田の低層市営住宅は、新たな入居を停止して、退居が完了した建物から順次解体していく。荒井と乙畑は、短期から中期に先送りした。

 公園の修繕・更新は老朽化が進んでいるものを優先するが、館ノ川広場は長期計画で安全が確保されない場合に解体する。御前原公園と同公園のシェルターおよび倉庫は、小規模修繕で対応できなくなった時点で解体する。

 旧第1分団第4部消防器具置場は、地籍調査で底地が整理された時点で、譲渡もしくは解体する。旧矢板農業改良普及所の現施設および八方休憩所は、小規模修繕で対応できなくなった時点で解体する。

 駅東仮設住宅は区画整理事業の完了で必要がなくなったため、譲渡もしくは解体する。

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