導入機能など検討 道の駅検討委 次回は来月に開催予定(那珂市)

[2023/1/28 茨城版]
 那珂市はこのほど、市役所本庁舎2階で第5回「複合型交流拠点施設道の駅整備検討委員会(委員長・川島佑介茨城大学人文社会科学部準教授)」を開催した。今回はサウンディング調査結果や導入機能、ゾーニングの3項目について協議を行った。このうち、導入機能については、各機能ごとの必要性や施設規模を検討するとともに、想定されるゾーニング計画などを示した。また、各導入機能のうち、子育てやIC周辺への立地を活かす整備に重点を置いて検討することを確認した。第6回委員会は2月17日に開催を予定している。その際には可能性調査や概算事業費、道の駅設置による効果と地域への波及効果などについて協議する予定だ。

 この委員会は、有識者や市民団体などの代表者ら15人で構成。このほか、オブザーバーとして国や県の担当者と市の担当者らが参加している。

 サウンディング調査は、昨年12月2日から16日まで、アンケート調査形式で実施した。調査内容は導入機能のアイデアや事業条件、参画可能性などについてで、6社(飲食企業2社、子ども遊び場の運営企業2社、DX関連企業2社)から有効回答を得た。この調査結果を踏まえ、市の活性化のために地産地消システムを取り入れるほか、親子でゆったり過ごせるカフェや公園、ファミリー層に向けたアスレチック遊具などの設置が提案された。

 導入機能については、「道の駅」の基本機能である駐車場やトイレ、コンビニエンスストア、情報提供コーナーに加え、屋内施設として農畜産物直売所や飲食施設、加工施設、ベーカリー、全天候型プレイゾーンなど。屋外施設として屋根付きイベントスペースやドッグラン、ほ場、バーベキュー施設、芝生広場・水広場、アスレチック遊具、高速バス停留所、パークアンドライド、防災設備、緑地などを盛り込んだ。前回出された意見をもとに施設を絞り込むとともに、それぞれの想定面積を提示した。

 なお、各機能のうち、子育てとIC周辺への立地を活かす整備に重点を置くことを指摘。特にIC周辺の立地を活かす整備としては、高速道路の利用者が気軽に立ち寄ることができる道の駅とすることで、ほかの道の駅とは異なる特色を有するものにするという。

 ゾーニングについては、交通量の多い菅谷・飯田線(バードライン)側からの視認性に配慮し、長手方向がバードラインに面する長方形を検討する。駐車場の出入口は、バードラインの4車線化計画に伴う拡幅や中央分離帯などを考慮して検討する必要がある。

 委員からは、「バーベキュー施設やドッグランは必要無いのではないか」「ほ場の広さは適切か」「直売所をもっと広くしてほしい」「ここでしか食べられない特産物を作ってほしい」「多世代が交流する施設としてほしい」などの意見が出た。

 これらを受けて、今後はバーベキュー施設やドッグラン、ほ場などの縮小、駐車場や直売所の拡大、バックヤード機能、体験施設、入居テナントの方向性などを検討し、導入施設の規模などを精査していく。各施設の規模については、次の検討会で示す見通しだ。

 道の駅の整備予定地は飯田押敷交差点北西側、市街化調整区域で農業振興地域用地区域となっている。那珂ICからのアクセス性が良く、平坦で整形な敷地が確保できる。基本計画は建設技術研究所茨城事務所(つくば市)が担当しており、基本構想をもとに3月22日までに基本計画をまとめる方針となっている。

 事業のスケジュールは、23-24年度に基本設計、25年度に実施設計を策定する。26-27年度には本体建設工事と外構工事を実施し、28年度の供用開始を目指している。

 複合型交流拠点施設「道の駅」は、那珂IC周辺地域開発の一環として計画。県による国道118号の4車線化などで交流人口の拡大が期待されることから、那珂ICを活用したまちづくりが計画された。道の駅は県道に面していることから、県との「一体型」を想定。農畜産物直売所をはじめ、市民交流、防災拠点などの機能を併せ持つ「複合型交流拠点施設」とする予定だ。

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