小学校新築の安全祈願 橋本店JVが山田町(岩手)で 週休2日へ建設DX活用
[2023/1/27 宮城版]
橋本店(仙台市青葉区)JVは26日、岩手県山田町で山田町立山田小学校新校舎等建設工事の安全祈願祭を執り行った。新築施工に当たり橋本店の佐々木宏明代表取締役社長は「現場における土日閉所の週休2日制に向けて建設DX活用による効率化に積極的に取り組む」と意気込んだ。
山田小学校は、2020年に同町内の小学校6校が統合して誕生。その後は旧山田南小学校の校舎を使い続けているが、築後40年の校舎で老朽化が進んでいるため、町が新たな場所に新校舎を建てることにした。
新しい山田小の建設場所は織笠第14地割の高台で、町民グラウンド野球場の跡地。敷地面積は約2.4ha。町立山田中学校や岩手県立山田病院、山田消防署などが隣接している。
新しい校舎は体育館との一体型でRC造一部木造+S造2階建て延べ7508平方mの規模。体育館の屋根がS造、図書館の屋根が木造となる。校舎中央に位置する吹き抜けの広い図書館が特徴で、そこを取り巻くように階段が2階へと延び、2階の視聴覚機能を備えた図書スペースと一体的な利用が可能となっている。
新築施工は電気・機械設備工事などと一括し、橋本店と佐々木組(岩手県一関市)の特定JVが請け負う。設計・監理は武田菱設計(岩手県盛岡市)が担当。町によると建設工事費は24億2000万円。工期は2024年3月22日まで。町は別途、プールの建設工事やグラウンドの整備工事などを発注する。24年8月の2学期から新しい学校で授業をスタートさせる。
新校舎等新築工事の安全祈願祭には、山田町の佐藤信逸町長をはじめとする町職員、町議会議員、学校関係者、工事関係者など約40人が出席した。神事では佐藤町長や橋本店の佐々木社長ら6人で一斉に鍬入れを行った。
建築主代表のあいさつで佐藤町長は、山田小学校の新校舎建設が「町長就任3期目の公約の一つとして掲げたもの」であり、2022~23年度における「本町の一大事業である」と紹介した。
新しい学校については「これからの新しい時代を生きる子どもたちは急速に変化し続ける社会環境に対応し、これまで以上に社会を生き抜く力が必要となる。そのような時代にあって山田町の未来を担う子どもたちのために、さまざまなニーズに対応しながら子どもたちが社会性を養い、コミュニケーション能力を培うことができる安全で快適な学びの環境を整える」と語った。
橋本店JVと武田菱設計に対しては「持てる技術を存分に発揮していただき、工事の安全を第一に事故なく予定通り竣工されること」を願った。特に橋本店については「経験豊富な会社。創業145年の経験をしっかり(今回の新築で)表現してほしい」と期待した。
施工者代表のあいさつで橋本店の佐々木社長は、同社が今年4月に創業145年を迎えることを紹介。「創業当時から鉄道工事を多く請け負っているため、北は北海道から南は中国地方まで全国にわたり足跡がある」と告げ、岩手県でも1980年に北上市で東北新幹線工事の高架橋工事に当たったことを伝えた。
今回の学校新築工事については「子どもたちがさらに安心して学校生活を送ることができるよう、災害に強い防災機能を備えた地域コミュニティの場としての役割を担うと聞いている」と明かし、「このような意義深い工事に私ども共同企業体が参画できることを誠に光栄に思う」と述べた。
その上で佐々木社長は施工に当たり、佐々木組と力を合わせ「無事故・無災害に十分配慮し、コロナ対策に万全を期して安全第一で工事を進める」と決意。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されることから、週休2日制に向けた建設DXの活用に意欲を示し、「施工の準備段階から仮設計画工事ステップ設備干渉チェックの工程で、3次元モデルBIMを取り入れて生産性の向上を図りたい」と話した。
現場代理人を務める橋本店建築部の瀬川雅紀専任課長のコメント
27日から仮囲いを設置し、2月2日から地盤改良用の試験杭を打ち始める。杭打ちは全体の2割くらいで必要になる。小学生の安全を守るといった山田町における小学校建設の趣旨をよく理解し、竣工期限を必ず守り、全工期を通じた無事故を目指して工事を進めたい。
プライベートでは山田町の隣の大槌町で2017年に自転車レース(ヒルクライム)に参加し、年代別で優勝したことがある。隣町ということで縁を感じている。地元の方々とも協力・連携しながら工事を行いたい。