対象施設に10事業 公共施設再編で行動計画案(龍ケ崎市)

[2023/1/27 茨城版]
 龍ケ崎市は、公共施設等総合管理計画(15-51年度)に係る5年ごとの見直しに合わせ、「公共施設再編成の第3期行動計画」の策定を進めている。計画期間は23年から26年度までの5カ年で、このほど同計画案に対するパブリックコメントを開始した。第3期計画では、対象施設として10事業を掲げ、23年度に着工する新保健福祉施設や長戸コミュニティセンターの整備のほか、第二庁舎の再編成や学校施設の適正配置、公共施設跡地活用の検討などを盛り込んでいる。

 市では、「公共施設等の全体最適化と持続可能な財政運営の両立を目指す」ことを目的とした公共施設等総合管理計画を策定し、取り組みを進めている。公共施設などを対象に、市の資産の保有状況を把握・分析し、改修・更新費用などの見込みを明らかにしながら、公共施設などの総合的かつ計画的な管理を推進するための基本的な方針を整理したものとなる。

 この下位計画に位置する公共施設再編成の第3期行動計画では、これまで取り組んできた第1期・第2期行動計画の結果を踏まえ、中期で取り組む具体的な目標や実施工程などを示して着実に実行していくことで、「全体最適化と持続可能な財政運営の両立につなげる」ことを目的としている。

 対象施設(事業)は、(I)第2期行動計画から取り組みを継続する施設、(II)第2期行動計画の取り組み結果から、新たな視点も踏まえ具体の取り組みを行っていく施設、(III)新たに重点的な取り組みを行う施設──の3つの取り組み区分別に計10事業を盛り込んだ。

 主な事業のうち、23年度の供用開始予定の新学校給食センターでは、跡地となる第二調理場の解体工事を行い、龍ケ崎西小学校駐車場として整備する。第一調理場では、利活用に向けて公募型プロポーザルなどによる事業者の選定を進めるとしている。

 新保健福祉施設では、25年度の供用開始に向けて工事着手するほか、23年度に保健センターの解体設計をまとめ、新施設完成後の25年度に解体工事を行う。新施設の3階には「市民交流スペース」の設置が検討されるほか、福祉機能の集約に伴い空きスペースが生じる市庁舎内の機能の再配置について検討を行う。

 第二庁舎では、入居する施設管理事務所や市シルバー人材センターの動向を踏まえ、両方移転となった場合には、解体して借地を所有者に返却する。解体の場合は、25年度の解体設計、26年度の解体工事を予定している。

 24年度の供用開始を目指す新長戸コミュニティセンターでは、23年度の着工に合わせて既存施設の解体設計に着手し、新施設完成後の24年度に解体工事を行い、跡地利用の検討を行う。跡地には、埋蔵文化財収蔵庫の整備なども想定し、この場合は24年度の設計・施工で整備を進め、25年度の供用開始を目指すとしている。

 小中学校の適正規模・適正配置の取り組みでは、横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で基本設計を進めている長山中学校区施設一体型小中一貫校整備計画について、26年度までに既存校舎などの長寿命化や新規校舎などの整備を行い、27年度に長山中学校を受入れ校とした義務教育学校を開校する。このほかの小中学校では、「施設一体型小中一貫校・学校統合に関する調査報告書」の考え方を基本に、小学校同士の統合や施設一体型小中一貫校の整備について検討を行っていくほか、松葉小学校や長山小学校をはじめ、今後の検討により廃校となることが見込まれる学校施設について跡地活用を検討し、廃校後の早期の有効活用に努めるとした。

 以下、計画に盛り込んだ10事業は次の通り。(▽事業名称=[1]関連施設[2]取り組み区分)

 ▽農業公園豊作村の今後の方針検討結果に基づく機能・事業運営の最適化=[1]農業公園豊作村(総合交流ターミナル)、農業公園豊作村(湯ったり館)[2]I
 ▽新学校給食センターの整備および学校給食センター第一・第二調理場跡地の活用検討=[1]学校給食センター第一調理場、学校給食センター第二調理場[2]I
 ▽新保健福祉施設の整備=[1]保健センター、市役所庁舎[2]I
 ▽地域福祉会館利活用の検討=[1]地域福祉会館[2]I
 ▽第二庁舎の再編成=[1]第二庁舎[2]I
 ▽森林公園の再整備=[1]森林公園(管理棟等)[2]I
 ▽新長戸コミュニティセンターの整備および長戸コミュニティセンター跡地の活用検討=[1]長戸コミュニティセンター[2]I
 ▽職業訓練共同施設の今後の在り方の検討に基づく機能・事業運営の最適化=[1]職業訓練共同施設[2]II
 ▽龍ケ崎版小中一貫教育「龍の子人づくり学習」を踏まえた、小中学校の適正規模・適正配置の取組=[1]小学校(11施設)、中学校(5施設)[2]II
 ▽公共施設跡地活用の検討=[1]旧城南中学校・佐貫中央第2駐輪場[2]III

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