「文化と知」の拠点で構想策定 公共事業費に777億円 県新年度予算に要望 重点72事業で1914億円(自民党県連など)

[2023/1/26 栃木版]

 自民党県連(茂木敏充会長)ととちぎ自民党議員会(螺良昭人会長)は25日、福田富一県知事に県の2023年度当初予算案に対する要望書を提出した。県土整備、農政、環境森林の3部が進める公共事業費(関連調査費を含む)に777億7580万円を要望したのをはじめ、緊急防災・減災対策事業による堆積土除去の重点的な取り組みを要望した。また新たに、「文化と知」の創造拠点整備構想策定事業費や県庁舎周辺整備検討事業費、新防災教育施設基本計画策定費を盛り込んで、計画や構想の具体化を図るよう求めている。これらを含め、計72重点事業に総額1914億7925万円の予算化を要望し、このうち政調上乗せは36億3752万円となった。福田知事は、この要望に対する回答を2月7日に行う見通しだ。

 個別の要望内容をみると、安全・安心な県民生活の確保では公共事業について、道路・河川や農業水利施設などの社会資本整備を推進するとともに、災害に備えて改良復旧事業を含む河川整備などに計画的に取り組むことを求めた。

 重点事業のうち、県土整備部には公共事業費496億4556万円、県単公共事業費143億9612万円、公共事業関連調査費5億円の予算化を要望。このうち、県単公共事業費は身近な道路整備や自転車の走行環境整備のために16億円、公共事業関連調査費は5か年加速化対策の導入に備えたストック確保への調査費5億円をそれぞれ政調上乗せしている。

 また、緊急防災・減災対策事業費には政調上乗せ分10億円を含め30億円を要望し、堆積土の除去に重点的に取り組むよう要望。インフラDX推進事業費では、水防情報や道路維持管理に係るDXの推進を前倒しするため、政調上乗せで9000万円を盛り込んだ。

 農政部には、公共事業費84億9651万円、県単公共事業費2億4742万円、公共事業関連調査費1500万円の予算化を求めた。このうち県単公共事業費には小規模農村基盤整備で3000万円、公共事業関連調査費には土地改良事業の導入に備えた調査費1500万円の政調上乗せを含む。環境森林部は公共事業費43億9262万円と、県単公共事業費に5か年加速化対策の治山対策調査費5000万円の政調上乗せを含む3億0523万円を要望した。

 老朽化が進む県の防災施設「防災館」は、災害時に迅速かつ適切な避難行動をとれるよう防災教育に資する新たな施設の整備を計画的に進めていくため、基本計画の策定に1150万円を要望。盛土規制法の基礎調査事業費にも3510万円を要望している。

 交通事故の抑止では、信号機の新設・更新、管制システムの改修、道路標識・標示の更新など交通安全施設の計画的な整備を推進するため、18億9686万円を求めた。このうち、信号機設置に至る前の措置として、「横断歩道又は自転車横断帯あり」の路面標示をより見やすく整備するため、2億1100万円を政調上乗せしている。

 とちぎの未来創生では栃木県誕生150周年の記念事業費や6月のG7男女共同参画・女性活躍閣僚会合の事業費のほか、県庁周辺の県有施設の整備に係る事業費を盛り込んだ。県立美術館・図書館に文書館を含めた「文化と知」の創造拠点整備では、整備構想を策定するため3243万円を要望。また、県庁周辺の活用可能な県有地も、民間活力導入を視野に利活用の検討を図るため、990万円を要望した。

 県内経済の活性化では、カーボンニュートラル推進事業費に10億0842万円を要望した。このうち1000万円は、住宅の断熱化を促進するための補助金の増額分として政調上乗せを求めた。

 教育環境の充実等では、足利高校整備事業費に引き続き33億2372万円を要望したほか、「県立学校施設長寿命化保全計画」などに基づく施設の長寿命化推進事業費として23億2366万円を要望。このうち4000万円は、遅れているトイレの洋式化改修を推進するための設計費として政調上乗せした。

 建設関連の主な要望額は次の通り。(単位・万円)
【保健・医療・福祉施策の充実について】
▽介護基盤整備等事業費=24億1742.8
▽社会福祉施設等整備助成費=12億6023
▽子ども総合科学館大規模改修費=7億6094.1
【安全・安心な県民生活の確保について】
▽公共事業費(環境森林部)=43億9262.8
▽県単公共事業費(環境森林部)=3億0523.8
▽公共事業費(農政部)=84億9651.2
▽県単公共事業費(農政部)=2億4742
▽公共事業関連調査費(農政部)=1500
▽公共事業費(県土整備部)=496億4556.2
▽県単公共事業費(県土整備部)=143億9612.9
▽インフラDX推進事業費(一部県単公共・再掲)9000
▽公共事業関連調査費(県土整備部)=5億0000
▽緊急防災・減災対策事業費=30億0000
▽南摩ダム関連事業費(一部公共・再掲)=38億2581.5
▽水と緑の南摩の里整備費=9億3600
▽盛土規制法基礎調査事業費=3510
▽新防災教育施設基本計画策定費=1150
▽交通安全施設整備費=18億9686.4
▽交通捜査DX推進事業費=468.5
【とちぎの未来創生に向けて】
▽栃木県誕生150周年記念“未来に届けるとちぎ”事業費=1億0895
▽G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合推進事業費=560
▽移住定住促進・関係人口創出事業費=1億2113.5
▽「文化と知」の創造拠点整備構想策定事業費=3243.1
▽県庁舎周辺整備検討事業費=990
▽とちぎデジタルトランスフォーメーション体制強化事業費=4615.2
【県内経済の活性化について】
▽カーボンニュートラル実現に向けた産業成長推進事業費=1億2511.3
▽カーボンニュートラル推進事業費(一部再掲)=10億0842.2
▽ものづくり産業躍進プロジェクト推進事業費(一部再掲)=2億1209.9
▽企業立地推進補助金=35億0930.1
▽「とちぎ職業人材カレッジ」(仮称)推進事業費=8315.5
【環境対策の推進について】
▽県営最終処分場整備運営事業費=6億8428.3
【農林業の振興について】
▽とちぎの元気な森づくり県民税事業費(一部再掲)=10億4630.1
▽森林環境譲与税事業費=12億7709
▽とちぎ材の家づくり支援事業費=1億4557.7
▽栃木県林業大学校整備費=12億2653.1
【教育環境の充実等について】
▽足利高校整備事業費=33億2372.6
▽県立学校施設長寿命化推進事業費=23億2366.5

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