基本設計でパブコメ 新総合体育館 着工は24年度の予定(常陸太田市)
[2023/1/26 茨城版]
常陸太田市はこのほど、新総合体育館整備事業で基本設計をまとめ、市民を対象にパブリックコメントを開始した。延べ面積は6912平方mで、敷地内には体育館のほかに、多目的運動広場や545台を収容する駐車場などを配置する。年度内にも実施設計に着手したあと23年度中にまとめ、着工は当初計画から1年遅れの24年度を予定する。本体工事は24年度から3年間、外構工事は25年度から2年間で実施する計画で、27年度からの供用開始を目指す。
この事業は、1977年に完成した現在の市民体育館(RC造2階建て、S造屋根、延べ2405平方m)について、築後40年以上が経過したことによる老朽化や狭あい化、トイレや観覧席(現況212席)、駐車場の不足、バリアフリー化への対応などのほか、空調がなく夏場の使用にも支障があることなど多くの課題が指摘されていたことから計画したもの。その後、スポーツ施設整備計画に基づき新施設の整備計画を策定し、20年度に基本計画を策定した。
当初の計画では、敷地西側付近とされていた建設予定地について、一部の土地を土地を賃貸借する場合に、返却時の原状復帰が難しいと判断。配置計画を現市民体育館や駐車場、運動広場、芝広場などがある北側エリアへ変更するなど、21年8月に基本計画の一部見直しが行われた。同年秋には、プロポーザルで決定した安井建築設計事務所(東京都千代田区)と柴建築設計事務所の設計JVによる基本設計に着手し、このほど作業を完了した。
基本設計によると、外観コンセプトに「周辺環境になじみ、集いの場としての市民を包み込むアリーナ」を掲げ、アリーナ屋根をドーム型とし、メインアリーナとサブアリーナを分割することで圧迫感を低減した。内観コンセプトは「する・みる・ささえる全てのひとが使いやすく、市民の居場所となるアリーナ」とし、市民が集うアリーナを実現するほか、どの位置からも見え方が大きく変わらず、ボールも見えやすい空間としている。
構造はS造及びRC造(一部SRC造)の2階建てで、延べ面積は6912平方m(1階5451平方m、2階1461平方m、建築面積6566平方m)としている。メインアリーナ(1881平方m)には、1012席などを有する観覧席(1043平方m)を有し、サブアリーナ(852平方m)や多目的室(164平方m)、トレーニング室(200平方m)などを設置する。敷地の北東側には、円形の多目的運動場広場を整備し、外周はランニング・ウォーキングコースを設置する。
非常時の防災機能では、メインアリーナに最大530人の避難者を収容し、サブアリーナには支援物資を保管。防災倉庫や耐震性貯水槽、マンホールトイレなども整備する。バリアフリー機能として、障がい者や高齢者、子育てにもやさしいユニバーサルデザインを各設備に採用している。