統合排水機場を設計 角田二期地区に建設へ(阿武隈土地改良)
[2023/1/20 宮城版]
農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、角田二期地域で統合排水機場の新設を計画しており、建設予定地の測量と基本設計を一括して簡易公募型プロポーザルで委託する。プロポは30日まで参加表明書を受け付け、2月7日に選定結果を通知した後、同8~28日に技術提案書を受け付け、3月9日に特定結果を通知する。
統合排水機場は毎秒30~40立方mの排水能力を計画しており、既存の江尻排水機場(角田市江尻字巻向)付近に新設する。移設できない江尻排水機場の増量分と、解体撤去予定の江尻第三排水機場を統合する形での整備となる。
測量と基本設計は、2023年度の地域整備方向検討調査として委託する。件名は「角田二期地域統合排水機場基本設計その他業務」。業務内容は、過年度に実施した排水解析と整備計画等を踏まえ、新しい統合排水機場の基本設計を作成するとともに、建設場所を測量する。業務成果は事業計画の基礎資料とする。履行期間は2024年2月28日まで。
プロポの参加資格は、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。
角田地区は、1983~95年の国営かんがい排水事業で、排水能力が毎秒62tの江尻排水機場、6tの岡排水機場、延長6.4kmの尾袋川排水路、2.9kmの雑魚橋川河排水路などが整備された。受益面積は角田市と丸森町の一部で約3100ha。
本年度は、角田地区の対策手法検討調査業務を内外エンジニアリング(東北支店・仙台市青葉区)に委託。この業務は、同地区における排水対策の手法などを検討し、今後の事業化につなげる。同地区でこれまでに整備された施設は、10分の1の確率降雨計画で造られているものの、これを見直して10分の1以上の確率降雨計画を想定した場合に必要な排水施設などを検討する。履行期間は3月8日まで。
内外エンジニアリングには別途、本年度に「角田地区事業推進検討業務」も委託している。こちらは近年の豪雨被害に対する同地区の排水機能強化に向けて将来整備構想を検討する。具体的には排水量の増加に伴う阿武隈川の流況解析や、地区内の排水解析を行う。業務の履行期間は2月28日まで。
なお、既存の江尻排水機場については、国営施設応急対策事業で全面改修を進めている。事業期間は2019~26年度の8年間。総事業費は59億円。
小田排水機場の構想プロポ
同事務所は、角田二期地域の小田排水機場他構想設計業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。プロポのスケジュールや参加資格は「角田二期地域統合排水機場基本設計その他業務」と同じ。
構想設計業務では、同地区で新設を計画している小田排水機場と、改修を計画している堀切排水機場、横倉堀排水路、小田排水路、中谷地排水路(サイホン)について、構想設計をまとめ、事業計画の基礎資料とする。履行期間は2024年2月28日まで。
排水能力は小田排水機場、堀切排水機場とも毎秒8.7立方mを計画。堀切排水機場の既設能力は毎秒1立方mのため、同7.7立方m増量する。
既存排水路の排水量と延長は、横倉が毎秒約2立方mで1060m、小田が毎秒7.3立方mで1220m、サイホンの中谷地が毎秒3立方mで76m。
小田排水機場は、角田地区の国営かんがい排水事業が実施された際に、関連事業として小田川に整備する計画になっているが、実現に至っていない。今回は国営事業での整備を前提に構想を具体化する。