市庁舎と複合化検討 老朽化の母子健康センター(宮城県 多賀城市)

[2023/1/19 宮城版]
 多賀城市は18日、市議会全員協議会で、市庁舎と母子健康センターを複合化する方針を明らかにした。市庁舎耐震対策事業に伴い、増築する2階建てのエントランス棟(玄関棟)を3階建てに変更し、同センターと西庁舎の機械室を移設することで老朽化と津波浸水想定区域となった庁舎の浸水対策の課題解消を目指す。来年度着工予定の西庁舎改修工事は先送りし、玄関棟の着工を2024年度末に前倒す。総事業費は約26億円の増額を見込んでいる。

 同事業では、未耐震化の東庁舎を解体し改修する西庁舎の北側に北庁舎、東側に2階建ての玄関棟を増築する計画で、22年3月に実施設計をまとめた。同年5月に市役所が津波浸水想定区域内と判明し、対策を検討していた。市は、対策の検討に合わせ、老朽化が課題の母子健康センターと複合化する方針を示した。

 浸水対策では2階建て延べ約3500平方mの玄関棟を3階建てに見直し、西庁舎地下1階にある機械室(非常用電源、高圧受変電盤、中央制御装置危機等)を玄関棟3階に移設する。母子健康センターは、市役所敷地内に立地する。全面改修を検討してきたが、更新費が約2億円を見込むため、玄関棟2階に配置する。

 複合化に伴い、総事業費は約42億円から約68億円に膨らむ見込み。物価高騰の影響のほか、玄関棟は建築基準法などに基づき、新築の建築物となるため、20億5700万円増の22億5100万円を試算。西庁舎は6億5000万円増の16億3100万円。東庁舎の解体は1000万円増の1億7000万円の見込み。

 スケジュールも見直す。年度内に、玄関棟・西庁舎の基本設計に着手し23年12月までにまとめる。玄関棟を先行し、実施設計を24年1月~10月に作成し東庁舎(地下1階地上3階建て延べ約2500平方m)の解体を24年2~10月に実施。増築工事は25年2月の着工、26年3月完成を予定する。

 西庁舎は24年11~25年8月に実施設計、改修工事は25年12月着工、27年8月完了を目指す。市は新年度予算案で関連事業費を盛り込む見通し。

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