公募手続きを開始 子育て応援住宅の整備事業(つくばみらい市)
[2023/1/17 茨城版]
つくばみらい市は10日、子育て応援住宅の募集要項を公表し、公募手続きを開始した。この公募は、PFIを活用して旧わかくさ幼稚園跡地に子育て応援住宅を整備するもの。募集上限価格は税込21億7046万円で、事業期間は55年3月までに設定している。市では公募の手続き開始にあたり、20日に募集要項の説明会を開催する予定。参加表明書と参加資格確認申請書は3月13日から17日まで受け付ける。優先交渉権者については、7月ごろに決定する見通し。議会の承認を得た後、住宅整備に着手し、25年1月の入居開始を目指す。
子育て応援住宅は、既存地区の定住人口の増加や地域の活性化を目的に、PFIを活用して整備するもの。整備場所は板橋地内にある旧わかくさ幼稚園跡地の約1万3568平方mとし、子育て世代を中心とした中間層向けの集合住宅を整備していく。なお、支援業務は全国地域PFI協会(東京都中央区)が担当する。
事業手法については、BTO方式を採用。民間事業者が既存施設の解体と新施設の設計・施工を行った後、施設の所有権を市に移転し、事業者が維持管理・運営を行う形となる。また、子育て応援施設の整備とあわせて、事業者が独立採算で行う附帯事業も実施できることを示した。これは事業計画地の一部を活用し、飲食店など子育て支援や生活利便性向上、地域の活性化に関連する民間収益施設の誘致が可能となる。
敷地内に整備する施設としては、▽住宅棟(集合住宅)▽集会施設▽外構▽広場▽新設道路▽認定こども園▽民間収益施設──などを明示。このうち、住宅棟は2棟を整備する。いずれも3階建てとし、内部は3LDKタイプ(住戸専用面積70平方m)に設定。戸数はA棟が27戸、B棟が30戸とし、合計57戸を予定している。
集会施設は60人程度が利用できる床面積60平方m以上を確保。外構では、駐車場に114台程度のスペースを確保するほか、ごみ置き場や堀・かき柵の整備も求める。
広場は2000平方mの規模を確保し、備品などは民間事業者の提案とする。新設道路の幅員は車道6m、歩道2m程度に設定。詳細は道路管理者と協議したうえで、必要な整備を行う。
認定こども園には3000平方mのスペースを確保する。こども園の誘致については、子育て応援住宅事業とは別途、民設民営で学校法人や社会福祉法人、民間企業などを対象に公募を行う見通しだ。施設の規模や定員などについては現在検討を進めている段階にある。公募時期は、子育て応援住宅の事業者が決定する7月から8月ごろを予定。23年度内に事業者を決定し、24年4月に整備を開始し、25年4月の開園を目指す。
公募参加形態は、設計企業と工事監理企業、建設企業、維持管理企業、運営企業、SPCのマネージメント企業、資金調達企業などで構成するグループであること。なお、代表企業は、市内に本店、本社を有することが求められる。
構成グループの参加資格をみると、設計企業は一級建築士事務所に登録され、08年以降に今回の事業と類似する住宅または公共施設を設計した実績があること。建設企業では、特定建設業の許可を受け、08年以降に類似する住宅または公共施設を施工したことなどが参加資格となる。
募集要項の説明会は20日に開催する。参加希望者は、募集要項等説明会参加申込書を市開発指導課にメールで提出すること。同日には現地見学会の開催も予定している。
募集要項に対する質問の受付は27日まで。2月10日には市ホームページで回答を公表する。参加表明書などの提出は3月13日から17日までとし、提案書は5月8日から12日まで受け付ける。なお、募集要項や申込書は市のホームページからダウンロードすることができる。
今後は7月にも事業者を決定する。9月議会で事業契約と指定管理者の承認を得た後、住宅整備に着手。24年12月に施設の引き渡しを行い、25年1月の入居開始を目指す。
公募の詳しい問い合わせは、市開発指導課(電話0297-58-2111)まで。