国補事業に281億円 退避施設で放射線防護対策(県補正)
[2023/1/14 茨城版]
大井川和彦知事は13日、県庁で記者会見を開き、20日に開会する1月臨時会の提出議案を明らかにした。このうち、一般会計補正予算案には366億7800万円を追加し、総額を1兆3609億1300万円とする。主なものでは防災・減災、国土強靭化の推進に向けて、国補公共事業に281億6700万円を充てる。また、原子力災害対策事業では、屋内退避施設の放射線防護対策に5億9600万円を補助する。このほか、鹿島臨海都市計画下水道事業に2億4500万円や、特定交通安全施設整備事業に4300万円などを盛り込んだ。
今回の臨時補正はコロナ禍が続く中、原油価格・物価高騰などの影響を受ける医療、福祉、農林水産業者などに対する支援や、国補正予算に対応して、地域の「稼ぐ力」の回復・強化、「新しい資本主義」の加速および防災・減災、国土強靭化の推進などに対応するという考え方のもと、予算編成を行った。主な事業では、原油価格・物価高騰等対策に49億9100万円、「稼ぐ力」の回復・強化に4億5200万円、防災・減災、国土強靭化の推進、安全・安心の確保に287億8600万円などを配分している。
主な事業のうち、建設業関連では、国補公共事業に流域下水道事業会計を含めて281億6700万円を予算化した。内訳をみると、直轄事業負担金には82億0700万円を配分。東関東自動車道水戸線をはじめとする道路や、那珂川などの治水対策を行う。
補助事業には199億6000万円を充てる。事業内容は道路整備や橋梁修繕、河川改修、防潮堤整備、農地の大区画化などを盛り込む。
また、防災・減災、国土強靭化の推進と関連して、鹿島臨海都市計画下水道事業では下水道の老朽化対策を行う。事業費には2億4500万円を確保。事業箇所は下水処理場設備改築1カ所と管渠改築1カ所などを予定している。
原子力災害対策事業には5億9600万円を予算化。これは原子力災害が発生した際、すぐに避難が難しい社会福祉施設や医療施設において、放射線防護対策を行うもの。工事内容としては、陽圧化や気密化などを予定する。対象となる施設は日立市の介護老人保健施設「藍」と、常陸太田市の障害者支援施設「ピュア里川」、那珂市の小豆畑病院、東海高校の体育館となる。
このうち、東海高校の体育館については県で整備を行い、残る3施設については、整備の補助を行う。
また、今回の補正ではオフサイトセンターの修繕費も計上した。これは施設の老朽化を受けて空調や電気設備の改修を行うものとなる。
このほか、特定交通安全施設整備事業には4300万円を計上した。信号灯器や信号柱など、交通安全施設の整備を実施していく。