メタウォーターJVを特定 提案額約80億円 浄水場再構築プロポ(宮城県 登米市)
[2023/1/11 宮城版]
宮城県登米市は1月10日、公募型プロポーザルの手続きを進めている「保呂羽浄水場再構築事業」について、特定結果を発表した。メタウォーター(東北営業所・仙台市青葉区)を代表者とするJVを、優先交渉権者に特定した。保呂羽(ほろわ)浄水場の老朽化対策と適正化に関し、DBM(デザイン・ビルド・マネジメント)方式で設計・施工および保全管理を行う。
プロポーザルには昨年8月5日の参加期限までに、JV2者が参加表明書を提出した。JVの参加要件では、登米市内に本社を置く建設業者を、土木建築業務の担当として構成員に含めることになっている。昨年12月7日にプレゼンテーションなどの審査を行った結果、市はメタウォーターJVが示した提案内容を採択した。
同JVは総合評価(550点満点)で347点を獲得。上限額を税込み84億4910万円(設計建設事業67億8810万円+20年間の設備更新事業16億6100万円)としていた事業費について、同JVは80億1790万円を提示した。
今後、市は見積り合わせなどの協議を進め、1月下旬をめどに基本契約を締結する考え。3月上旬には設計や工事、保全管理(設備などのメンテナンス)に関する本契約を結ぶ。
市は現時点で構成員の詳細を明らかにしていない。基本契約を結んだ段階で発表する予定。
次点は明電舎(東北支店・仙台市青葉区)を代表者とするJVだった。同JVは総合評価で290点を獲得し、事業費に82億0277万0400円を提示していた。
1977年から供用している保呂羽浄水場(登米町)は設備が老朽化している上、建築物の耐震性に問題がある。さらに、人口減少の影響で給水量が減少しているため、施設規模をダウンサイジングして設備などを改築しなければならない。そのため、民間企業のノウハウを活用し、改築に係る設計・施工と20年間の保全管理をDBM方式で推進する。
浄水場の再構築に当たっては、現行の急速ろ過方式を「膜ろ過方式」に改める。2029年10月から膜ろ過方式の通水を始める予定。事業者には今年4月から設計などに着手してもらい、29年9月末までに膜ろ過方式に関係する浄水施設を完成させてもらう。その他の浄水施設については、31年3月までに改築してもらう。
保全管理の期間は、膜ろ過方式での通水開始から20年間(49年10月まで)。ただし、水質検査を含む浄水場の運転管理業務については、市が5年ごとに事業者を指定する。