8事業で継続が妥当 県再評価委 那珂大宮BPなどを審議

[2023/1/11 茨城版]
 県土木部公共事業等評価委員会はこのほど、県庁で本年度の会合を開催した。今回は「国道118号那珂大宮バイパス」と「国道354号谷田部東拡幅」、「土浦竜ヶ崎線」、「石下駅中沼線」、「諏訪ノ入沢」、「国道354号古河境バイパス」、「結城坂東線」、「安良川赤浜線」の再評価を行った。審議の結果、8事業すべてで「継続が妥当」と判断した。

 再評価事業のうち、国道118号那珂大宮バイパス整備は、県北地域における南北方向の主要幹線道路の向上や、交通混雑緩和、常磐道那珂ICから奥久慈地域へのアクセス向上などを目的とする。事業は1996年度に採択され、那珂市飯田から常陸大宮市下村田地内までの延長8300m、幅員28m(4車線)で計画している。

 今回の再評価では、完成年度と事業費を変更した。このうち、完成年度は6年延長し、30年度に変更。これは現道拡幅区間の沿線に営業店舗があり、用地交渉が難航したことが理由となる。

 事業費については、当初の150億円から40億円を増額し、190億円に変更した。これは、地盤調査の結果を踏まえ、地盤改良工事費が増加することや、埋蔵文化財発掘調査を追加することが理由として挙げられる。

 進捗は、事業量ベースで38.6%、事業費ベースで74.7%となる。今後は、残り約3.6kmの用地取得に努めていく。まとまった用地が確保できた箇所から工事を実施する計画だ。

 国道354号谷田部東拡幅は、つくば市大角豆交差点での交通渋滞緩和や、常磐道ICと圏央道ICへのアクセス強化、地域交流の活性化などを目的とする。事業は03年度に採択され、つくば市赤塚から大角豆地内までの延長2500m、幅員35m(4車線)、総事業費97億円で計画している。

 再評価では、完成年度を10年間延長し、33年度に変更した。これは、沿道に商業施設が多く、用地交渉が難航していることが原因となる。

 進捗は事業量ベースで0%、事業費ベースで23.8%となる。今後は、優先整備区間の未買収地の取得に加え、優先区間外の大型補償物件の取得を進めていく。また、工事では大角豆交差点付近の整備を優先的に進めていく予定だ。

 土浦竜ヶ崎線の整備では、牛久市内の交通渋滞緩和や、圏央道ICへのアクセス向上を目的とする。事業は17年度に採択され、阿見町実穀から牛久市岡見町地内までの延長3930m、幅員30mから25m(4車線)、総事業費41億円で計画する。

 再評価では、完成年度を2年間延長し、26年度に変更。これは、圏央道牛久阿見ICと県道接続部における埋設管の移設協議に時間がかかり、工期を延期したことなどが要因となっている。

 進捗は事業量ベースで46.8%、事業費ベースで49.3%となる。今後は、未買収となっている約1万7000平方mの取得に努めるとともに、圏央道工事の進捗を踏まえながら工事を進める予定だという。

 石下駅中沼線の整備では、駅周辺地区のアクセス向上や交通渋滞緩和、商店街の活性化などを目的に、老朽化した石下橋の架け替えや歩車道分離など進めていく。事業は01年度に採択となり、常総市新石下から向石下地内までの延長785m、幅員18m(2車線)、総事業費73億円で計画する。

 再評価では、完成年度を3年間延長し、25年度に変更した。これは、用地取得を進めている商店街区間に店舗や居宅が多く、補償物件の契約に遅延が発生していることが理由となる。

 進捗は事業費ベースで97.7%となる。今後は残る1件の用地について、早期に取得に努めていく。また、工事は用地を取得できた箇所から着手することになる。

 諏訪ノ入沢では土石流対策として、砂防堰堤を整備する。事業は17年度に採択され、大子町袋田地内で、砂防堰堤1基、管理用道路延長200mで計画。総事業費は2億円と試算している。

 再評価では完成年度と事業内容を変更した。このうち、完成年度は5年間延長し、26年度に変更する。これは、当初予定していた年度に砂防法に係る手続きができなかったことが理由となる。また、事業内容については、土石流・流木対策設計技術指針の改定を踏まえ、不透過型堰堤から透過型堰堤への見直しを行っている。

 進捗は事業量ベースで0%、事業費ベースで14%となっている。今後は、22年度中に用地測量を完了させ、23年度中の用地取得を目指す。また、工事は、23年度までに砂防法に係る手続きを完了させ、26年度までの完成を予定している。

 国道354号古河境バイパスでは、幹線道路ネットワークの強化や、境古河ICへのアクセス性向上などを目的とする。事業は17年度に採択され、古河市高野から境町猿山地内の延長3200m、幅員25m(4車線)で計画。総事業費は70億円とし、完成は27年度を予定する。

 進捗は、事業量ベースで0%、事業費ベースで14.2%。今後は用地取得を進めるとともに、用地取得が完了した箇所から工事を進めていく。

 結城坂東線では、圏央道ICへのアクセス向上などを目的に整備を進める。事業は17年度に採択となり、坂東市弓田から岩井地内の延長1880m、幅員16m(2車線)で計画する。総事業費は26億円とし、完成は24年度を予定している。

 進捗は事業量ベースで22.3%、事業費ベースで87.4%。これまでに用地取得と橋梁の本体工事が完了した。今後は、残る工事について計画的な発注を進めていく。

 安良川赤浜線の整備では、広域的な物流の効率化や交通の円滑化、通学路の安全確保などを目的とする。事業は18年度に採択となり、高萩市阿良川地内の延長864m、幅員16m(2車線)で計画。総事業費は18億円とし、24年度の完成を予定している。

 進捗は事業費ベースで19%となる。今後は事業費が多大となる橋梁部の用地取得を優先的に進めていく。工事については、まとまって用地を取得できた箇所から着手する計画となる。

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