流域水害対策を検討 角田の尾袋川・小田川流域(仙台河川国道)
[2023/1/7 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、阿武隈川水系の尾袋川流域と小田川流域で流域水害対策計画の検討に着手する。尾袋川や小田川は2019年の東日本台風で水害が発生し、特に流域の角田市などで大きな被害を受けた。このため、流域水害関連検討業務を簡易公募型プロポーザルで委託し、課題を洗い出して必要な対策を検討する。プロポは6日付で手続きを公告した。
東日本台風では、同じ阿武隈川水系の内川流域などでも甚大な洪水被害が起きており、こちらは主に丸森町内で直轄権限代行による河川の災害復旧事業や直轄特定緊急砂防事業などが進められている。尾袋川流域などではこうした対策に着手できていないため、検討業務を委託して必要な対策を見極める。
検討業務では、特定都市河川浸水被害対策法に基づいた流域水害対策計画を検討するほか、同計画に必要な協議資料の作成と、名取川水系における水害リスクマップなどの検討も行う。履行期間は12月22日まで。
プロポの参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。参加表明書と技術提案書の提出期限は2月13日。
プロポで技術提案を求める評価テーマは▽都市浸水想定の検討に当たっての着眼点▽名取川水系の内外水一体型水害リスクマップ精度向上に当たっての着眼点──となっている。
なお、流域水害対策計画は、河川管理者、下水道管理者、知事、市町村の首長が共同して浸水被害の防止を図るために策定する。同計画に定める事項は、浸水被害対策の基本方針、都市洪水または都市浸水の発生を防ぐべき目標となる降雨、特定都市河川や特定都市下水道の整備に関する事項など。
尾袋川と小田川は県が管理している。両河川の流域では主に内水対策が中心になる見込みのため、仙台河川国道事務所としては県だけでなく、流域の市町や下水道管理者も巻き込んだ議論を展開したいと考えている。阿武隈川との合流地点における河川への影響も踏まえながら、総合的な対策を今後に具体化する。