ポンプ棟耐震設計など 国の2次補正予算 交付金12億円を内示(下水道事業)

[2023/1/6 栃木版]

 県都市整備課は下水道事業で、国に要望していた社会資本整備総合交付金の2022年度第2次補正予算の内示額を明らかにした。本県には県と市町をあわせ、社会資本(防災・安全)加速化対策分として12億0711万円が内示されている。流域下水道にはこのうち2億1800万円を配分して、管路や処理場などの耐震対策を実施。また公共下水道は、10市町で下水道ストックマネジメント計画に基づく施設更新や地震対策、浸水対策を推進する。

 22年度第2次補正予算は、県と市町をあわせて社会資本(通常)に6億6646万円、社会資本(防災・安全)加速化対策分に13億6550万円のあわせて20億3196万円を要望。このうち加速化対策分の12億0711万円が内示され、内示率は59.4%となった。

 県が実施する流域下水道事業は、社会資本(防災・減災)で地震対策や施設の改築・更新を進めるため2億1800万円(うち国費1億0900万円)が内示された。下水道総合地震対策計画に基づく耐震対策を推進するため、交付金を活用し5処理区で管渠および処理場やポンプ場の工事や設計を実施する。

 このうち鬼怒川上流流域下水道や巴波川流域下水道では、管路施設の耐震化工事と次年度以降の耐震化工事の設計を実施する。北那須流域下水道は同様に管渠の耐震化工事や設計のほか、処理場施設内の導水渠の耐震化工事を実施する。

 渡良瀬川下流流域下水道のうち、大岩藤処理区では管路施設の耐震化工事と、処理場施設の沈砂池ポンプ棟の耐震設計を策定する。同じく思川処理区は管路施設の耐震化工事のほか、間々田ポンプ場の耐震化工事を追加して発注する見通しとなっている。

 市町村の公共下水道事業にも、社会資本(防災・減災)で地震対策や施設の改築・更新を進めるため9億8911万円(うち国費5億1102万円)が内示された。下水道ストックマネジメント計画に基づく施設更新対策として、宇都宮市や小山市、さくら市、那須町では終末処理場の水処理・汚泥処理設備の改築更新工事を、宇都宮市や佐野市では管路施設更生工事などを実施する。

 また地震対策では、佐野市と那須町で終末処理場の耐震補強工事を、宇都宮市と野木町、那珂川町で管路施設および排水機場の耐震化工事などを推進。浸水対策では、壬生町で雨水幹線管渠工事を実施するほか、芳賀町では浸水シミュレーション調査業務を予定する。

 なお流域下水道事業に関しては、今回の国補正は県の当初予算で予定していた交付金の不足額を充当するものとなる。予算措置は4月の当初予算で行っていることから、改めて下水道事業に関する県の補正予算は編成していない。

 国の22年度2次補正の事業概要は次の通り。
【流域下水道実施計画】
▽鬼怒川上流流域下水道(上流処理区)=管路施設耐震化工事、管路施設耐震設計
▽巴波川流域下水道=管路施設耐震化工事、管路施設耐震設計
▽北那須流域下水道=管路施設耐震化工事、管路施設耐震設計、処理場施設耐震化工事
▽渡良瀬川下流流域下水道(大岩藤処理区)=管路施設耐震化工事、処理場施設耐震設計
▽渡良瀬川下流流域下水道(思川処理区)=管路施設耐震化工事、ポンプ場耐震化工事
【公共下水道実施計画】
▽宇都宮市=川田水再生センター特高受変電設備改築更新工事、川田水再生センター2-2系消化槽改築更新工事、川田水再生センター最初沈殿池4~6系実施設計、老朽管渠調査診断、川田水再生センター事業用地取得、管路施設更生工事、管路施設耐震設計、管路施設耐震化工事
▽佐野市=管路施設改築工事、佐野市水処理センター汚泥処理棟耐震化工事
▽日光市=湯元水処理センター耐震診断調査
▽小山市=小山水処理センター改築更新工事
▽さくら市=氏家水処理センター耐震化工事
▽芳賀町=浸水シミュレーション調査業務
▽壬生町=雨水幹線管渠工事
▽野木町=逆川排水機場耐震補強工事
▽那須町=湯本浄化センター耐震補強工事、湯本浄化センター設備更新工事、黒田原水処理センター設備更新工事
▽那珂川町=管路施設耐震化工事

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