設計は来年度から 新庁舎のスケジュールを公表(行方市)
[2022/12/21 茨城版]
行方市はこのほど、市が進めている新庁舎建設事業の整備スケジュールを明らかにした。それによると、23年度に基本・実施設計業務に着手し、24年度の前半までに策定する。24年度内から建設工事に着手し、合併特例債の適用期間も考慮して、25年度内に竣工させて、同年度内に供用を開始する予定となる。建設場所はなめがた地域医療センター旧救命救急センターで、新庁舎として改修したうえで不足分を新築していく。
行方市は05年9月に旧3町が合併して誕生し、合併協定書では庁舎建設について「合併後可能な限り速やかに新市中央付近へ建設する」と定めていた。その後は学校施設の統合を優先するため、事業を凍結していたが、施設の安全性や管理運営の効率性などの課題解決のほか、合併特例債の適用期間の延長もあり、庁舎建設の検討を再開。20年10月には基本構想、21年7月には基本計画を策定した。
新庁舎の建設地は、防災拠点としての安全性、市民の利便性、まちづくりとの関連性、現実性と経済性などを考慮し、なめがた地域医療センターを選定した。医療センターは井上藤井地内に位置し、敷地面積は4万4831平方m。整備方針については、3月の第1回定例会で鈴木周也市長から、医療センター内の救急救命センターを改修して、不足分を増築する方針が示されている。なお、救命センターは06年3月に竣工し、規模はRC造3階建て、延べ5547平方mとなっている。
21年度に実施した市内不動産(病院施設等)活用可能性調査によると、不足分の機能である議場と市民窓口スペースを増築した場合の概算事業費は28億0500万円と試算した。また、議場のみを増築した場合は26億1150万円と想定。なお、救命センターを改修した場合、約35年間使用することを見込む。
新庁舎建設の進捗は現在、設計業務委託料の予算化に向けて、庁舎建設等調査特別委員会などで合意形成を図っている段階にある。本年8月の第2回臨時会では、基本設計業務委託料が盛り込まれた補正予算案が否決されている。
今後のスケジュールは、24年度の前半までに設計業務を完了させ、24年度から建設工事に着手する見通し。新庁舎は合併特例債の適用期間も考慮して、25年度に竣工させて同年度内に供用を開始する予定だ。
また、現庁舎跡地の活用方針として、麻生庁舎跡地周辺は「パブリック機能の集積拠点」として市内の公共関連施設の集約を図っていくことを示した。あわせて、観光施設や自然公園などの自然的レクリエーション資源の活用を図り、学校や公民館と連携した「市民の学びと共創」を推進する。
北浦庁舎跡地周辺については、「スポーツ・文化拠点」として民間活力を導入していく。既存のスポーツや文化施設を魅力ある施設にリニューアルするとともに、(仮称)北浦ICを生かして新しく人を呼び込む計画となる。玉造庁舎跡地周辺では、「新たな魅力を創出する定住促進拠点」として、恵まれた交通条件、観光施設や商業施設を生かすとともに、子育て世代の定住を促進する。なお、北浦・玉造庁舎については、耐震性能がないことから、活用方針にかかわらず解体する予定となっている。