来春にも工事発注 認定こども園 木造2階1400平方mで(那須烏山市)

[2022/12/20 栃木版]

 那須烏山市は、認定こども園の整備事業で、このほど基本設計をまとめた。こども園はつくし幼稚園の敷地に整備し、施設の構造と規模は木造2階建て・延べ床約1400平方mで計画している。市こども課によると、こども園の工事は外構なども含め一括で発注する方針で、2023年4~5月にも入札を行う見通し。市議会での承認を経て7月にも着工し、24年8月の完成を目指す。こども園の開園は、25年4月を予定している。

 那須烏山市では、年々子供の出生数が減少していることに加え、にこにこ保育園やつくし幼稚園が所在する旧南那須町地区に民間の小規模保育事業所が開所している。この民間事業所で0~2歳児の保育が可能となったため、市は同地区で3~5歳児を中心とした保育事業を行うことを構想した。

 さらには、にこにこ保育園が一級河川荒川の浸水想定区域に所在しており、19年の東日本台風で被害は免れたものの、水が施設の直前まで迫った。市はこれらの事情を考慮して、にこにこ保育園とつくし幼稚園を統合した認定こども園の整備に着手する。こども園の基本設計および実施設計は、渡辺有規建築企画事務所(宇都宮市)が担当している。

 にこにこ保育園(岩子152-1)は定員141人の施設で、園舎は2002年建設の、木造平屋建て延べ床1182平方mとしている。つくし幼稚園(東原50)は定員115人の施設で、園舎(東側・西側)は1994年に建設され、木造平屋建て延べ床1604平方mとなっている。

 新たなこども園は、つくし幼稚園の敷地内に新設する。園児130人・職員30人程度を想定した施設とし、新園舎の構造と規模は木造2階建て・延べ床約1400平方mとした。園庭の規模は、現在のつくし幼稚園から1.5倍に拡大される。

 市は、施設整備と並行して幼稚園で業務を続けるとしており、西側園舎を先行して解体し、跡地に新園舎を建設する。残る東側園舎は、新園舎完成後の24年8月以降に解体工事を行う。東側園舎の跡地には、園庭を整備する。工事を受注した業者は、新園舎建設のほか、現園舎の解体や園庭整備等の外構整備も合わせて行う。遊具などの付帯施設は、今後整備を検討する。

 新園舎は保育室、遊戯室、職員室、会議室など、一般的なこども園の機能のほか、厨房も整備する。さらには、現在のにこにこ保育園にある子育て支援センターの機能も設ける。1階と2階を連絡するエレベーターも6人乗りの規模のものを設置して、給食の配膳に利用するほか、将来的に支援が必要な子どもが入園した場合に備える。

 工事費は当初、20年度の計画で5億8000万円としていたが、昨今の資材価格の高騰の影響を踏まえて増額を見込んでいる。

 なお市は当初、旧荒川体育館の跡地も活用してこども園を整備する方針としていたが、少子化で園児も減少すると判断し、つくし幼稚園の敷地のみで整備することとした。旧荒川体育館跡地については、関係部署で活用方法を検討する。

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