債務負担に21億円 子育て応援住宅のPFI事業(つくばみらい市補正)
[2022/12/6 茨城版]
つくばみらい市は市議会定例会に補正予算などの議案を提案している。このうち、一般会計補正予算では2億2405万円を追加し、総額を264億7696万円とした。主なものでは、子育て応援住宅のPFIの事業費として、22-54年度の33カ年で限度額21億7046万円の債務負担行為を設定。来年1月上旬にも募集要項案を公表し、公募を開始する予定だ。順調にいけば、7月に優先交渉権者を決定し、議会の承認を得た後、住宅整備に着手する。
子育て応援住宅は、既存地区の定住人口の増加や地域の活性化を目的に、PFIを活用して整備するもの。整備場所は板橋地内にある旧わかくさ幼稚園跡地の約1万3568平方mとし、子育て世代を中心とした中間層向けの集合住宅を整備していく。なお、支援業務は全国地域PFI協会(東京都中央区)が担当する。
事業手法については、BTO方式を採用。民間事業者が既存施設の解体と新施設の設計・施工を行った後、施設の所有権を市に移転し、事業者が維持管理・運営を行う形となる。また、子育て応援施設の整備とあわせて、事業者が独立採算で行う附帯事業も実施できることを示した。これは事業計画地の一部を活用し、飲食店など子育て支援や生活利便性向上、地域の活性化に関連する民間収益施設の誘致が可能となる。
整備する施設としては、▽住宅棟(集合住宅)▽集会施設▽外構▽広場▽新設道路▽認定こども園▽民間収益施設──などを明示。このうち、住宅棟は2棟を整備する。いずれも3階建てとし、内部は3LDKタイプ(住戸専用面積70平方m)に設定。戸数はA棟が27戸、B棟が30戸とし、合計57戸を予定している。
集会施設は60人程度が利用できる床面積を確保。外構では、駐車場に114台程度のスペースを確保するほか、ごみ集積所や堀またはかき柵などの整備も求める。
広場は2000平方mの規模を確保し、備品などは民間事業者の提案とする。新設道路の幅員は車道6m、歩道2m程度に設定。詳細は道路管理者と協議したうえで、必要な整備を行う。
認定こども園には3000平方mを確保する。こども園の誘致については、子育て応援住宅事業とは別途、民摂民営で社会福祉法人などに公募を行う見通しだ。建設場所は集合住宅の北側の用地とする。規模や定員などについては今後、検討していく。計画では24年4月に建設を開始し、25年4月の開園を目指す。
子育て応援住宅の今後のスケジュールは、23年1月上旬にも募集要項案の公表を行い、公募を行う。同年7月に事業者を決定・公表し、24年12月に子育て応援住宅の完成、25年1月の入居開始を予定する流れとなる。
今回の補正ではこのほか、公有財産管理事業で市有地樹木伐採業務委託料に666万円を計上。これは旧神生自然の森において、ナラ枯れが多数発生したことを受けて、被害拡大防止のために伐採を行う。伐採本数は56本を予定する。
債務負担行為では、公園維持管理業務の委託料として23年度までの限度額に9299万円、せせらぎの小路維持管理業務の委託料として23年度までの限度額に1321万円を設定している。