都市計画決定へ協議進む 本八幡駅北口駅前地区の再開発(千葉県市川市)
[2022/12/17 千葉版]
千葉県市川市の本八幡駅北口駅前地区約1.1haについて、組合施行の再開発に向けた検討が進んでいる。再開発準備組合による個別面談やアンケート調査では、8割を超える地権者らが「計画を進めてほしい」と回答。都市計画決定の手続きに向けた協議を進め、都市計画決定後に県知事の認可を得て市街地再開発組合を設立、権利変換の手続きに着手する。市は、計画案づくりなど、組合による再開発をバックアップしていく方針だ。
同地区では2021年3月に「本八幡駅北口駅前地区再開発準備組合」が設立され、駅前ロータリーの東側、「八幡一番街商店街」約80mを含む本八幡ビルから国道14号までの約1.1haで、再開発の実現に向けた検討を進めている。事業協力者は三井不動産レジデンシャル。
準備組合は10月から、土地所有者や借地権者の意向を確認するため、個別面談やアンケート調査を実施。アンケートの結果、8割を超える地権者らが「計画を進めてほしい」と回答。「多くの人が集まれるようにしてほしい」「おしゃれな街にしてほしい」「商店街のにぎわいを大切にしてほしい」など要望している。
同事業では、高層建物の建設を想定し、設計初期段階から風の低減対策を考慮。コンピューターによる数値シミュレーションや、模型による風洞実験を実施するなど、詳細な予測・評価を進めることを検討している。
本八幡駅北口地区は、JR本八幡駅と京成八幡駅、都営地下鉄本八幡駅の3駅に隣接し、商業や業務、都市型住宅地域として恵まれた立地条件にある一方、地区内は老朽化した低層の木造家屋が密集し、防災面からも有効な土地利用が課題となっている。
県決定の「都市再開発の方針」(2016年3月)では、本八幡は重要な中心市街地として再開発を促進すべき「2項再開発促進地区」に位置づけられており、市は、同方針の見直しを機に、18年度に「本八幡駅北口再開発基本構想」を策定した。
本八幡駅北口地区では、「本八幡駅北口駅前地区」のほか、国道14号の北側、スクランブル交差点東側の「本八幡E地区」約1.4haについても、18年11月、再開発準備組合が設立されている。
田中甲市長は所信表明で、本八幡駅北口地区について、「地域住民としっかり話し合い、市役所や葛飾八幡宮へつながる市川市の顔となるまちづくり計画が前に進むよう努力する」と、再開発に意欲を示している。