大洗マリーナを売却 民間活用に向けてプロポ開始(県港湾課)
[2022/12/17 茨城版]
県港湾課は12日、大洗マリーナの民間活用に係る公募型プロポーザルの手続きを開始した。今回の公募では、大洗エリアの観光振興に向けて民間事業者を活用するため、大洗マリーナと隣接する拡張地の売却または賃貸借を行う。民間事業者には、マリーナの運営を行いつつ、ホテルやグランピング、カフェなどの拠点を整備し、同地の魅力向上につながる取り組みを求める。企画提案書の提出は23年1月16日まで受け付ける。優先交渉権者の決定は1月下旬になる見通しとなる。なお、民間事業者による整備は、23年度中の開始を予定している。
大洗港区は首都圏と北海道を結ぶカーフェリー基地としての機能に加え、クルーズ船の寄港、大洗マリーナや隣接する海水浴場など海洋性レクリエーション基地としても重要な役割を果たしており、大洗町は本県の観光を代表する観光地となっている。しかし、近年は海水浴客の減少や宿泊観光客が横ばいで、外国人観光客の取り込みといった多様なニーズへの対応が課題となっている。
こうした課題に対応するため、県では大洗エリアの更なる魅力向上に向けて、19年度に「ひたちなか大洗リゾート構想」を策定。構想では、「景観を変えおしゃれで洗練されたリゾート」にすることを基本コンセプトにラグジュアリーな宿泊施設の誘致やサーフィンなどを活かしたマリンスポーツの聖地化などの具現化に取り組むこととしている。
このリゾート構想の一環として、県では大洗マリーナとその周辺を海洋性レクリエーション活動の総合的な拠点とし、一体的に活用していくことを決定。施設の整備にあたっては、民間事業者の活用を想定しており、このほどプロポーザルを開始することになった。
プロポーザルでは、マリーナの運営に加え、新たな魅力向上につながる施設の整備を求めていく。整備する施設の条件は設けておらず、事業者の自由な提案を受け付ける。なお、県ではホテルやグランピング、カフェなどの拠点を想定しているという。
対象となる大洗マリーナは、1992年に開設した県内唯一海洋に面した公共マリーナ。主要施設はクラブハウス(RC造3階建て、延べ約1284平方m)と修理場、上下架施設、艇置場、浮桟橋、大型艇係留桟橋などとなっている。
今回の公募では、大洗マリーナの敷地に加えて、同地に隣接する拡張地も対象とする。マリーナと拡張地の合計は約4万9273平方m。拡張地は、大洗サンビーチと接続しているため、同地を活用する際にはサーフィンやビーチバレーなどのマリンスポーツなどの施設にも活用することができる。
今回の公募では、マリーナ内にある施設の売却に加え、敷地の売却または賃貸借を行う。対象施設の最低売却価格は1億0334万円に設定。また、対象地の最低売却価格は1億3624万8000円、最低貸付価格は年額729万6000円とする。
参加資格は、国内で13年度以降に3年間以上マリーナ施設を運営した実績を有し、関係法令などの必要な知識と能力を持ち、売却物件などを有効に活用できることなどが求められる。
現地見学会は20日と21日の開催を予定しており、参加希望者は19日午後4時までに申し込むこと。企画提案書の提出は23年1月16日まで受け付ける。26日にプレゼンテーションを行い、1月下旬にも優先交渉権者を決定する見通しとなる。議会の承認を得た後、県と事業者で契約を締結する。民間事業者による整備開始時期については、協議の内容により変更する可能性があるが、県としては23年度中に事業を開始することを見込んでいる。
詳しい問い合わせは、県港湾課港湾経営室経営管理グループ(電話029-301-4521)まで。