県体育館跡地に整備 「文化と知」の創造拠点 来年度から構想策定(栃木県総合政策課)
[2022/12/14 栃木版]
県総合政策課は県議会県政経営委員会に、県庁周辺整備に係る対応方針(案)について説明した。それによると、県立美術館・図書館・文書館は2023年度から「『文化と知』の創造拠点整備構想(仮称)」策定に着手し、検討を開始する。この構想と並行し、宇都宮中央警察署を現美術館敷地に整備する方向で検討を進める。また、県庁前の県有地(栃木会館跡地及び中央郵便局跡地など)の利活用については、シンボルロードの大通りまでの拡幅と併せて、民間活力の導入も視野に検討を進めていくとしている。
宇都宮中央警察署も移転改築
「文化と知」の創造拠点整備構想は、築50年程が経過して設備などの老朽化が進行しているほか、バリアフリー化や収蔵能力の確保、駐車場不足の解消に加え、急速に進化するデジタル技術への対応が必要な県立美術館・図書館・文書館を一体的に整備するもの。
建設場所については、県内各地からの交通のアクセス性に優れていることや、約3.4haのまとまった県有地で早期の整備着手が可能であり、県有財産の有効活用が図れることなどを考慮して、県体育館跡地(宇都宮市中戸祭)に整備する方針が示された。
また併せて、庁舎が1971年の完成で老朽化や耐震性の問題があるほか、駐車場も不足している宇都宮中央警察署(宇都宮市下戸祭)についても、「文化と知」の創造拠点整備構想の策定と併せて移転整備を検討する。移転先は、管内全域へのアクセス性が優れていることや管内住民の利便性が確保されることなどを考慮して、現美術館の敷地に整備するとしている。
「文化と知」の創造拠点整備構想に関しては、開会中の県議会通常会議の代表質問で、福田富一知事が「県立美術館や図書館は建て替えが待ったなしの状況」と話し、文書館とあわせて「本県の文化振興の中核となる『文化と知』の創造拠点として整備していきたい」と表明。これらの施設を一体的に整備することで、より高い相乗効果を発揮し「とちぎの新たな文化や知を生み出す」と意気込みを示した。
構想の策定にあたっては、県議会や県民、有識者などで構成する検討委員会を設置し、幅広く意見を聞きながら丁寧に検討を進める考え。拠点の果たすべき役割、あるいは県内各地からの交通アクセス、各市町との役割分担、県民の利便性の向上などの観点を考慮し、そのうえでデジタル化の進展や新たな日常への対応など新しい視点を取り入れながら、拠点の基本理念をはじめ各施設が今後新たに必要とされる機能などについても幅広く検討していく。
また整備予定地についても、「現時点では県体育館跡地に整備していきたいと考えている」と明らかにしていた。県体育館は、総合スポーツゾーンの整備にあわせて2021年12月31日をもって廃止されており、福田知事は「文化と知の拠点の整備に関わらず、役目は終えており本年度に解体の設計を実施している」として、23年度から解体工事に着手していく考えを示した。