広域処理も選択肢 新清掃工場の候補地(野田市)
[2022/12/13 千葉版]
野田市の鈴木有市長は、市議会定例会の市長答弁で、新清掃工場の建設候補地について説明した。「現時点では、まったくの白紙状態であり、まずは事務レベルで検討する」「洪水ハザードマップに照らすと、選択肢は限られてくるが、広域処理も選択肢の一つ」と話している。
新清掃工場建設候補地については、11月29日の市政一般報告で、船形地区の第二清掃工場隣接地での建設を断念する方針を表明していた。
地元住民と協議を重ね、一部反対意見があるものの、協議に応じてもらっていたが、コロナ禍により協議が中断しているなか、最終候補地を決定した際の前提条件が大きく変化し、あらたな課題が発生。9月定例会後に、現候補地での建設を断念せざるを得ない状況にあると判断した。
具体的な理由としては▽洪水ハザードマップ改定で、より深く浸水する場所として見直されたこと▽建設費の高騰▽一人1日あたりの排出量30%削減を目指す、ごみの減量が計画通りに進んでいないこと▽災害廃棄物を処理できる体制の確保など、処理能力の見直しが必要であること──を挙げている。
新清掃工場については、2011年8月に建設候補地選定審議会を設置し、候補地の選定に向け一般廃棄物処理基本計画の審議を開始した。
ごみの減量目標を、目標年度である21年度には、基準年度である2010年度に対して、一人1日あたりの排出量の30%削減を目指すこととし、新清掃工場の処理能力は1日あたり95tで計画することを決定した。
その後、候補地を公募。応募のあった2カ所と、事務局が抽出した9カ所を加えた11カ所について、選定基準に照らし選定作業を進め、13年8月、目吹地区と船形地区の2カ所を候補地とする第1次答申をとりまとめた。
生活環境影響調査(環境アセス)は、その実施に同意が得られた船形地区で、16~17年度に実施。その結果、周辺環境への影響は少ないとの結果が報告されたことから、18年3月の審議会で、新清掃工場の最終候補地として「第二清掃工場(浄化槽汚泥・し尿処理施設)の隣接地が妥当と判断する」との答申案が了承された。