社会教育施設の再整備 保全計画を策定へ (千葉市)

[2022/12/9 千葉版]
 千葉市は、老朽化が進む公民館や図書館などの社会教育施設について、再整備に向けた検討に乗り出す。2023年度から25年度にかけて、再整備の方向性を盛り込んだ「社会教育施設保全計画」をとりまとめる方針だ。千城台公民館と若葉図書館については、複合化して旧千城台南小学校跡地に再整備するための計画策定に取り組んでいる。

 同市の公民館や図書館の施設計画は、ほかの公共施設とともに「公共施設等個別施設計画」に位置付けている。老朽化が進んでいる施設も多く、4割以上が建築から40年以上経過している状況だ。

 今後、施設の更新や維持管理に当たり、多額の費用が見込まれ、計画的な保全が必要となる。国のインフラ長寿命化基本計画や市の公共施設等総合管理計画で、個別施設ごとの具体的な対策方針の策定が求められていることから、保全計画の策定に着手する。

 計画期間はおおむね10年間を基本とし、上位計画である公共施設等総合管理計画の計画期間などを踏まえ検討する。対象となるのは公民館47施設、図書館15施設となっている。

 施設の再整備では老朽化対策が喫緊の課題であることから、築年数や各施設の個別要因を踏まえ、スケジュールを検討。資産総量縮減などの観点から、施設の複合化なども視野に入れながら進めていく。

 再整備の方法は建替えや大規模改修を想定。現地建替の場合は現施設の解体から新施設の完成まで最大4~5年間の休館を伴うため、各施設の状況に応じた検討が必要となっている。

 指定避難所にもなる公民館については、非常用電源の確保や脱炭素社会への進展を踏まえ、太陽光パネルや蓄電池の設置についても検討。各年度の具体的な施設数や実施時期は、全庁的な調整のなかで決定する。

 施設の計画保全や長寿命化を図るため、日常点検を盛り込むとともに、空調設備や電気設備、屋上防水などの大規模改修を伴うものについて、耐用年数に応じた適切な保全スケジュールを作成する。脱炭素社会に向け、より省エネ効率の高い設備の導入や照明のLED化などにも取り組んでいく。

 花見川図書館とこてはし台公民館については、花見川図書館を大規模改修し、こてはし台公民館の機能を加えた複合施設として整備する。建築工事は日幸建設(千葉市中央区)が担当。年度内の完了を目指している。

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