資材高騰対応など国会議員に要望活動(千葉県建設業協会)
千葉県建設業協会(高橋順一会長)は、2022年度の国に対する要望活動を展開した。高橋会長と大林正章専務理事が、都内の衆参両議員会館を訪れ、建設業の職域代表や本県選出の国会議員21人に対し、資材価格高騰への対応などを要望。地域建設業者が抱える課題の解決を強く求めた。
職域代表の足立敏之参院議員や、本県選出で国土交通副大臣を務める豊田俊郎参院議員らとは直接面会した。激甚化・頻発化する災害から国民の生命・財産を守るために地域建設業が必要であることや、そのための予算措置が必要不可欠であることなどを説明した。
要望書では、国土強靭化・社会資本整備を着実に推進し、地域建設業がその社会的使命をこれからも果たしていくため、直近で喫緊の課題となっている資材価格の高騰や、間近に迫った時間外労働の上限規制の適用への対応など12項目を盛り込んでいる。
主な要望内容は次の通り。
▽激甚化・頻発化する災害から国民の生命・財産を守り、国民が安全に安心して暮らせるよう、強靭な国土づくりと地域経済の活性化、地方創生のための社会資本整備を着実に推進するため、23年度予算において、今年度を上回る公共事業関係費を確保すること
▽特に「防災・減災、国土強靭化のための五か年加速化対策」については、23年度以降の予算においては、当初予算化を含めて必要額を別枠で確保すること
▽資材価格の高騰による地域建設業の経営の悪化を防ぐため、公共工事において、直近の実勢価格を予定価格に適切に反映すること。契約後の資材価格高騰に対しては、スライド条項の運用や設計変更での適切な対応を図ること
▽再来年に迫った時間外労働の上限規制の適用に向け、予算の繰越手続、債務負担行為の活用等による施工時期の平準化、休日・準備期間・天候等を考慮した適正な工期の設定、用地取得や関係機関協議の調った後での精度の高い設計に基づく発注等に取り組むこと
▽技能者の賃上げのため、地域間格差の解消を念頭に入れつつ設計労務単価の更なる引上げを行うこと
▽建設キャリアアップシステムについては、同システムが技能者の処遇改善につながる道筋を早急に明確化すること
▽地域建設企業が健全で安定的な経営を続けるため、新・担い手三法及びその趣旨並びに「発注関係事務の運用に関する指針」を、全ての公共工事発注者に周知徹底を図ること
▽全国の現場での生産性向上を図るため、中小建設企業へのICT施工の普及とBIM/CIMの導入に向けて、ICT対象工事の拡大、人材育成、建機・関係設備導入に係る支援の拡充を図るとともに、小規模工事を含めた積算基準の見直し等に取り組むとともに、コンクリート工のプレキャスト化を推進すること
▽本年成立した盛土規制法については、法律上、土石の堆積にも広く知事による許可制が敷かれるようになっているが、政省令・運用基準の策定に当たっては、建設工事の円滑な施工に支障のないよう、建設業者による建設残土の一時仮置きへの適切な適用除外、安全を図りつつも過剰規制とならない区域指定・許可の基準等を定めること
▽公共工事標準請負契約約款における、災害関連工事以外の工事において「不可抗力」により生じた損害額についての、受注者による請負代金額の1%負担を撤廃すること
▽「地域の守り手」である地域建設業の災害発生時の活躍が広く国民に周知されるよう、官民が連携して積極的な広報に取り組むこと
▽地域建設業への若手技術者等の入職の母体となる建築・土木系学科の高校等における維持・拡充に向けて、産学官の連携により取り組むこと