国補採択と予算確保を 板戸大橋4車線化 国交省と財務省に要望
[2022/12/1 栃木版]
福田富一県知事は11月28日、国土交通省や財務省を訪れ、主要地方道宇都宮向田線板戸大橋(平出板戸II期工区)の整備に関する要望書を提出した。国交省には、2023年度の国庫補助事業による新規採択および所要額の確保を要望。また財務省には23年度の国庫補助事業による予算の確保のほか、防災・減災、国土強靱化の強力かつ計画的な取り組みの推進を要望した。この区間の要望は、今回が初めてとなる。
県央地域の鬼怒川左岸地域は、内陸型工業団地として国内最大級の清原工業団地をはじめ、芳賀工業団地や真岡市の工業団地群などが立地し、県内製造品出荷額の約35%を占める産業活動の一大拠点となっている。また芳賀第2工業団地も分譲を予定しており、この地域の競争力の更なる向上が見込まれている。
この地域と宇都宮中心部を分断している鬼怒川の渡河部は、交通容量不足で朝夕を中心に慢性的な交通渋滞が発生し、通勤や物流などの産業活動の発展に支障を来たしている。県は交通容量の拡大を図るため新たなバイパス(愛称:「宇都宮テクノ街道」)を整備し、工業団地の立地企業も通勤時間帯を調整するなど渋滞緩和に取り組んできた。
しかしながら、依然として渋滞が発生しており、宇都宮市や立地企業からはこのバイパス部で唯一暫定2車線として残る「板戸大橋」の早期4車線化が強く望まれている。県としても、現在事業を進めている一般国道408号宇都宮高根沢バイパスの整備と一体となって、「板戸大橋」の4車線化による広域道路ネットワークの強化を図ることが喫緊の課題であるとして、今回、4車線化の新規事業化や予算の確保を国に要望した。
さらに財務省には、頻発化・激甚化する気象災害などから県民の生命・財産を守り、社会活動の重要な機能を維持することができるよう、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の強力かつ計画的な推進を図るとともに、5か年加速化対策後も中長期的見通しのもと、国土強靱化に必要な事業の継続的な推進も要望した。
主要地方道宇都宮向田線の平出板戸工区(宇都宮テクノ街道)は、起点の寺内交差点から終点の芳賀工業団地北入口交差点までの延長6.2kmを02年度から整備着手し、19年3月までに全区間を暫定2車線(一部完成4車線)で供用開始した。22年3月までには、板戸大橋を除く約5.2kmを完成4車線で整備している。
今回事業化を図る板戸大橋は、宇都宮市下岡本町から板戸町までの延長1000mを事業区間とし、このうち橋長は920mとなる。幅員は22.0mで、今回整備する下流側2車線分は11.0m。内訳は車道3.25m×2、路肩0.5m×2、歩道3.5mとなる。
事業期間は23年度から27年度までを予定し、23年度に構造物詳細設計を策定して工事を24年度から27年度までの4年間で実施する。総事業費は、測量設計費が約2億円、工事費が約64億円の計66億円を見込んでいる。