1月に基本構想案 新庁舎整備委 民活導入も引き続き検討(高根沢町)

[202/11/30 栃木版]

 高根沢町は24日、町役場で第7回新庁舎整備検討委員会(委員長・佐藤栄治宇都宮大学准教授)を開催した。今回の会議では新庁舎整備基本構想の策定の仕方や、PPP/PFI事業の実施可能性および事業条件の調査の速報結果について協議した。基本構想案は、2023年1月11日に開催予定の第8回会議で提示される見通し。また、PPP/PFI事業による整備の可能性を否定できないとして、引き続き事業実施の可能性を検討する。

 町では、役場庁舎施設の老朽化や狭あい化などの状況を踏まえ、建て替えを基本に整備基本構想および基本計画の策定に着手する。基本構想や基本計画の策定は、梓・AIS・八千代エンジニヤリング共同企業体が担当。今後は23年2月までに基本構想案を作成し、パブリックコメントなどを経て、4月に基本構想を策定する。基本計画は23年4月から作成に着手し、24年度以降は基本設計や実施設計の策定を行うとしている。

 建設候補地は、現町役場(石末2053外、面積約1ha)と町民広場(石末1825、同約11ha)の2カ所としている。町では新庁舎整備に伴い、公共施設の 複合化・集約化を構想し、新庁舎への機能統合を複合化、同一敷地内への施設設置を集約化と定義した。新庁舎への複合化を検討する施設は▽農村環境改善センター▽保健センター▽福祉センター-の3施設、集約化を検討する施設は▽ 町民ホール▽農業者トレーニングセンター-の2施設としている。

 今回の会議では、PPP/PFI事業の実施可能性や事業条件の調査で、調査結果の速報が報告された。事業パターン2通りを提示して関心を調査し、対象16社のうち11社から回答を得た。

 パターン1は町役場敷地で庁舎機能のみを建て替え(新庁舎:約5200平方m)、パターン2は町民広場で新庁舎などの建物と町民ホール等の建物を整備する。パターン2で建設する建物は、新庁舎・農村環境改善センター・福祉センター・保健センター(A約7900平方m)と、町民ホールと農業者トレーニングセンター(A約3000平方m)となっている。

 その結果、事業参画について設計・建設企業で関心があるのは2社、条件次第で参画したいのが4社となった。また、維持管理・運営企業で関心があるのは3社、条件次第で参画したいのが2社となっている。

 パターン1での事業参画については、設計・建設企業で参画可能が3社、条件次第で参画したいのが3社となった。また、維持管理・運営企業で参画可能が1社、参画不可能が2社、条件次第で参画したいのが2社となっている。

 パターン2の事業参画は、設計・建設企業で参画可能が3社、条件次第で参画したいのが3社となった。維持管理・運営企業は、参画可能が5社(全社)となっている。

 事業手法(複数回答)について、パターン1は設計・建設企業でDB方式が3件、ECI方式が1件、その他(PFI方式、設計施工分離発注方式、総合評価、リース式)が4件となった。設計建設期間は2.5年から3~3.5年、維持管理期間は10~15年から15年と回答となっている。維持管理・運営企業では、ECI方式が1件、DB方式が1件で、維持管理期間は3~5年から5年と回答としている。

 パターン2では、設計・建設企業でDB方式が4件、DBO方式が3件、PFI(BTO)方式が3件、ECI方式が2件、その他(設計施工分離発注方式、総合評価、リース式)が3件となった。設計建設期間は3年から4年、維持管理期間は10~15年から20年と回答している。維持管理・運営企業では、PFI方式が4件、ECI方式が1件、DB方式が3件。DB方式が1件、その他が1件。維持管理期間は、5年から15年と回答している。

 地元企業の事業参画(JV組成の義務付け)について、設計・建設企業で要件にしてもよいのは1社、どちらとも言えないが4社、要件にしないほうがよいが1社となった。維持管理・運営企業ではどちらとも言えないが3社、要件にしないほうがよいが2社となっている。

 なお、町議会から新庁舎整備についての提言書が提出されており、町は提言書を参考に庁舎整備を進める考え。提言によると▽談話コーナー、会議室、購買・飲食施設などの整備▽建設地は浸水想定区域外▽屋外空間を災害時に柔軟に活用できるよう整備する▽再生可能エネルギーの利用▽雨水の再利用▽自然採光や風の活用▽さまざまな建設手法の検討▽モニターやオンライン配信設備など、IT化への対応-などが要望されている。

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