全長1.9kmのトンネル着工 国道349号山側別ルート 丸森地区災害復旧事業(前田建設工業)
[2022/11/25 宮城版]
国道349号は19年に発生した令和元年東日本台風により丸森町内で県管理区間となる約14kmが被災。国が権限代行により災害復旧事業を進め、現道部は21年3月に復旧が完了している。山側別ルートは、このうち特に被害が甚大だった耕野不動~大張川張の約8km区間について従前からの幅員狭あいや土砂災害の発生などの課題を解決するため整備が計画された。別ルートの山地部は土砂災害の影響を受けないよう3つのトンネルを設ける。
今回、着工した第3号トンネルは羽出庭大橋付近を起点、大張川張地区を終点とし、2車線の幅員7.5mで構成する。全長1893mの施工をNATM工法で進める。ことし3月から準備工に入り、工期は2024年8月5日まで。国道349号は丸森~福島間をつなぐ観光や産業などにとって欠かせない路線。安全かつ安心な道路の整備が期待される。
トンネル起点側坑口付近で挙行された安全祈願祭には、宮城南部復興事務所の水越崇所長や県大河原土木事務所の後藤孝二所長、丸森町の保科郷雄町長、町議会議員、工事関係者ら約50人が出席し、祝詞奏上や玉串奉てんなどの神事を滞りなく納めた。神事後の発注者あいさつで水越所長は第3号トンネル着工を喜ぶとともに、山側別ルートについて「交通と災害への安全性が高められ、沿線地域が持つポテンシャルを最大限生かした地域づくりなどに貢献するものだ。一日でも早く地域住民の方の期待に応えらえるよう、工事関係者の皆さまと一体となって事業を進める」と力を込めた。
来賓の保科町長は「台風で甚大な被害を受けた本町では皆さまのお力添えをいただき復旧・復興事業を進めている。その中でも国道349号の別ルート整備はまさに台風復興のシンボルとなる大事業。第3号トンネルが着工の運びとなり、町として大変心強い」と喜んだ。
施工者あいさつで前田建設工業東北支店の東海林茂美常務執行役員支店長は「このような重要な事業に携われることを大変光栄に思うと共に大きな使命・責任を感じている。弊社と協力会社一同、気持ちを引き締め、安全に高品質のトンネルを施工する」と請け合った。