［2022/11/25　茨城版］
　国道355号石岡・笠間改良促進期成同盟会(会長・山口伸樹笠間市長)はこのほど、県庁を訪れて、田村央土木部長に国道355号の整備促進を求める要望書を手渡した。要望では、同線の計画的な整備の推進と来年度予算での事業費の確保などを盛り込んだ。具体的には、石岡・岩間バイパスで柏原-根当区間での4車線化や、石岡・岩間バイパス(東成井工区)の4車線化、宍戸橋の老朽化架け替えなどを求めた。これに対して県は、要望箇所の整備状況を説明するとともに、引き続き市町村と連携して整備を促進していく考えを示した。

　この期成同盟会は、笠間市と石岡市、小美玉市で構成し、国道355号の整備促進を目的としている。当日は山口会長と谷島洋司石岡市長、島田幸三小美玉市長らが県庁を訪れて、田村部長に対して要望活動を行った。

　国道355号は千葉県香取市を起点とし、本県では霞ヶ浦の湖岸沿いに北進して笠間市に至る県内延長約78kmの幹線道路。常磐道や国道6号、国道50号などの主要な幹線道路や、北関東自動車道とも接続する重要な路線となっている。

　このうち、笠間バイパスは19年に全線開通。昨年度には石岡・岩間バイパスの4車線化が一部供用を開始した。しかし、同線では依然として整備が必要な箇所が残っていることを指摘。そこで同盟会では、道路ストック効果による地域経済の活性化や安全・安心の地域づくり、災害時の避難路・物資輸送力などの防災・減災、国土強靭化を推進する道路整備の観点から、早期の整備を要望した。

　要望にあたり、あいさつに立った山口会長は、県が工事を着実に進めていることに対して改めて感謝の意を表したうえで、事業の推進に向けて引き続きの協力を求めた。

　具体的な要望は、石岡・岩間バイパスにおいて、石岡市柏原-根当区間延長1570mと、東成井工区延長1380mの4車線化を要望。同区間では未着手箇所が存在することを指摘し、一日も早い事業着手を求めた。また、柏原工業団地周辺では大雨時に道路が冠水することを報告し、あわせて排水整備工事も必要になっていることを説明した。

　宍戸橋では老朽化を受けて、架け替えを要望。架け替えの実現には、大洗友部線整備と涸沼川改修もあわせて実施する必要があることを説明したうえで、事業の促進を求めた。

　これに対し、県側から事業の取り組み状況を説明。石岡市柏原-根当区間の延伸については、工場に入る箇所で都市計画上の課題があるため、現在は事業化に向けて、課題を整理して検討を進めている。

　石岡・岩間拡幅については、19年度に交付金事業として採択となった。このうち、水戸土木事務所管内の笠間市と小美玉市区間については、21年9月までに整備が完了。土浦土木事務所管内では石岡市区間で整備を進めている状況にある。

　このうち、柏原-根当区間の延長1570mでは、用地取得が進んだことを受けて、道路設計に着手した。年内に説明会を開催し、年度内には境界立ち合いを行う予定。整備にあたっては、拡幅に加えて、排水整備も検討しているという。

　東成井工区では、本年10月に延長340m区間が完成。残る1040m区間については、一部がJR跨線橋にかかるため、本年度からJRに工事を委託した状況にある。また、県としては道路改良工事240mの実施を予定している。

　宍戸橋の架け替えは、20年度から国補事業として着手。これまでに測量や地質調査、橋梁・道路の詳細設計を実施してきた。昨年度には用地測量を行い、本年度から用地取得に着手となった。今後は早期の着工に向けて、用地取得を進める計画だという。

　最後に田村部長は石岡・笠間バイパスについて、「地域の交通だけでなく、広域的な交通を担う重要な路線だと認識している。県としては着実に整備を進めてきたが、まだ未整備箇所が残っている。事業の推進には用地買収など、地元の協力が必要不可欠であり、引き続きの協力をお願いしたい」などと述べた。