京葉臨海地域 脱炭素化へ協議会を設立(千葉県ら)
京葉臨海地域で、脱炭素化に向けた取り組みが本格化する。24日に「京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会」の初会合が開かれ、官民が連携して先進的な取り組みを推進していくことを確認した。本県では港湾施設での脱炭素化を進めるため、2024年3月にもカーボンニュートラルポート形成計画をとりまとめる。
会長に就任した熊谷俊人知事は「CO2削減の先進的な技術開発や社会実装が進んでいくことが本県だけでなく、日本全体のカーボンニュートラル実現につながっていく。関係企業が発展する契機にしていきたい」と力強く語った。
京葉臨海コンビナートは、素材・エネルギー産業が集積する日本最大のコンビナート。産業部門のCO2排出量は全国で最も多くなっている。国際競争力を堅持しつつ、日本をリードするカーボンニュートラルコンビナートへの転換を図るため、国や県、関係市、立地企業、有識者で構成する「京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会」を発足した。
協議会の下に分科会を設置し、企業連携の具体的なテーマについて、議論・検討を深めていく。取組事例として▽水素・アンモニアの利活用▽CO2回収▽バイオマスの活用▽再生可能エネルギーの活用▽発電設備の共有化──などを想定している。
本県では千葉港(国際拠点港湾)や木更津港(重要港湾)の地域で脱炭素化に取り組むため、24年3月をめどにカーボンニュートラルポート形成計画を策定する方針だ。
委員から「今までにないような取り組みが必要不可欠」「個別の対応だけでは限界がある」などの意見が出された。
協議会ではこのほか、経済産業省資源エネルギー庁石油精製備蓄課長の細川成己氏と東京大学教授で化学工学会地域連携カーボンニュートラル推進委員会委員長の辻佳子氏がそれぞれ講演した。