名洗港整備48億円 物揚場や防波堤など(千葉県県土整備公共事業評価審)

[2022/11/19 千葉版]
 千葉県県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が18日、千葉県庁で開かれた。銚子市沖の洋上風力発電事業で建設補助・維持管理拠点となる名洗港(銚子市)の整備事業について事前評価を審議した。約48億円を投じ、物揚場や防波堤、航路などを整備する計画。2023年度から新規事業として着手することが了承された。

 名洗港整備事業は新規事業となるため、事業着手の必要性や妥当性を評価した。名洗港は、銚子市沖洋上風力発電事業の建設補助や維持管理の拠点として作業員の日常作業や小型部材の保管場所として活用する。発電規模は39.1万kWを想定している。

 施設整備の概要をみると、係留施設として水深3・5mの物揚場を整備する。延長368mのほか、既設岸壁140mを改良する。水域施設として、水深3.5mの航路を整備していく。

 外郭施設は、名洗防波堤(改良)が延長70m、防波堤が延長200m、港内防波堤が延長300mを計画している。

 事業期間は23年度~27年度とし、事業費は47億8000万円を見込む。費用便益比は1.44。総合的な評価として、事業の投資効果が認められることから、「23年度から事業に着手する」とした。

 審議会ではこのほか、再評価から5年が経過した河川事業4件について、再評価を審議した。その結果、いずれも事業を継続する対応方針案が了承されている。

 一級河川利根川水系高谷川では、流域の内水被害軽減のため、排水機場と河川整備を進めている。事業延長は1260mで、事業期間は1998年度~2026年度。全体事業費は80億円で、事業費ベースの進ちょく率は61%。費用便益比は全体事業が4.2、残事業が1.1となっている。

 一級河川利根川水系真間川では、甚大な水害を受けたことから、治水安全度の向上を図るため、河川整備を推進。事業延長は31.2kmで、事業期間は1979年度~2026年度。全体事業費は1800億3000万円を見込む。事業費ベースの進ちょくは93.2%。費用便益比は全体事業が14.0、残事業が1.06とした。

 二級河川作田川水系作田川では、甚大な浸水被害を受けたことから、治水安全度を向上させるため、河川整備を進めている。事業延長は9.1km、事業期間は1985年度~2035年度。全体事業費は98億1700万円。事業費ベースの進ちょく率は82%。費用便益比は全体事業が5.0、残事業が7.5となった。

 一級河川利根川水系旧江戸川では、著しい地盤沈下により高潮堤防としての機能が低減するとともに既設堤防の耐震性能が不足していることから、高潮・耐震対策を実施している。事業延長は9.2kmで、事業期間は1993年度~2026年度。全体事業費は717億8000万円。事業費ベースの進ちょくは28%。費用便益比は全体事業が3.7、残事業が4.6となっている。

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