築堤4件を年内発注 内川流域など宮城県 丸森町内(宮城南部復興)
[2022/11/15 宮城版]
国土交通省宮城南部復興事務所は、阿武隈川水系内川流域などで行う築堤工事4件を年内に一般競争入札で発注する。いずれも概算工事規模は2億~3億円で、工期に約7カ月を見込む。丸森町内の内川流域などでは2019年の東日本台風で堤防が決壊する被害を受けたため、県からの要請を受けて国交省が直轄権限代行で堤防を改良復旧する。本年度から本格的に築堤を進め、2024年度までの完成を目指す。
直轄権限代行では東日本台風で被災した内川、新川、五福谷川の3河川を改良復旧する。対象延長は計3.5km。単に元の形に戻すのではなく、再度災害を防ぐ観点から、人家が連なる区間以外は2割5分勾配で天端幅3mの既存堤防を、5割勾配で天端幅5mに改良し、被覆ブロックの設置や天端舗装、かごマットによる法尻保護などを行う。
改良復旧に伴い、既存の2橋と2カ所の堰や、樋管を改築する。樋管は20カ所に設けられているものの、改築や部分改築、統廃合などを進める。
台風被害を受けてからこれまでは主に河道掘削などを中心に行ってきたが、これから堤防の改良復旧を本格化させる。昨年度末には阿武隈川水系内川流域築堤他工事を熱海建設(仙台市青葉区)、本年度に同その2工事を本田組(丸森町)に発注した。
年内には別途、同その3~その6工事の4件を入札発注する。いずれも築堤盛土工、堤脚水路工、排水路工、護岸工、仮設工を行う。入札は一括審査方式を予定している。
築堤盛土の規模は、その3が1万0600立方mの築堤盛土工、その4が1万7000立方m、その5が1万9300立方m、その6が1万9900立方mとなる。
19日に堤防機能強化工の着工式
宮城南部復興事務所は、19日に丸森町内で内川流域堤防機能強化工事の着工式を開催する。東日本大震災で被害を受けた内川等における堤防の機能強化の一環として、断面拡大工法に着手する。
堤防機能強化工法は、計画規模を上回る洪水が発生した場合でも堤防が決壊するまでの時間を引き延ばし、退避のための時間をできるだけ確保するための対策。
当日は丸森まちづくりセンターで式典を開き、事業経過などを報告した後、近くの本田組が施工する現場(新川右岸竹谷橋下流)に移動して胴突き式を行う予定だ。