エコ住宅を普及促進 住生活マスプラ 本年度末の策定へ(宇都宮市)
[2022/11/12 栃木版]
宇都宮市は10日、市役所で2022年度第2回(仮称)住生活マスタープラン策定懇談会(座長・陣内雄次宇都宮共和大学教授)を開催し、マスプラの基本施策や成果指標などについて協議した。基本施策には、防犯性・防災性の高いまちづくり、居住誘導区域等への居住促進、セーフティネット住宅の登録促進、太陽光発電など環境への負荷が少ない住宅の普及促進、マンション管理の実態調査などを盛り込んでいる。今後はパブリックコメントを経て、23年2月初旬の第3回懇談会で計画案を協議した後、2月下旬に計画を策定して公表するとしている。
市は13年度に住生活基本計画を策定し、住宅施策を推進してきた。今回は、変化する社会経済状況に対応し、市が目指すスーパースマートシティの実現に向けて市民生活の安定・向上につながる施策を推進するため、現行計画の改定と合わせ、賃貸住宅供給促進計画やマンション管理適正化推進計画の3計画を一体化した(仮称)住生活マスタープランを策定する。計画期間は、23~32年度までの10年間とした。
住生活マスタープランの施策方向性は[1]宇都宮の魅力を生かし高める住まいづくり(NCC拠点における良好な住環境な整備やさらなる居住誘導、市への移住・定住促進、郊外住宅団地の住環境の維持)[2]多様な市民ニーズに対応する住まいづくり(ライフスタイルに応じた居住支援など)[3]安定した生活を営む住まいづくり(住宅確保要配慮者のための適切な住宅の供給など)[4]安全で環境負荷の少ない持続可能な住まいづくり(既存住宅市場の活性化、安全に配慮した住宅の普及促進、環境負荷の少ない住宅の普及促進)[5]マンション管理の適正化を推進する住まいづくり(分譲マンション管理の適正化推進)[6]多様な主体と連携した住まいづくり(不動産事業者、福祉関係機関等と連携した居住支援)-としている。
住宅施策の展開を見ると、「宇都宮の魅力を生かし高める住まいづくり」では▽居住誘導区域等における良好な受環境の整備やさらなる居住誘導の推進(まちづくりと一体的な住宅の供給、防犯性・防災性の高いまちづくりの推進、居住誘導区域等への居住促進など)▽郊外部における住環境の維持(空き家の適正管理の促進など)-を基本施策に挙げている。
「多様な市民ニーズに対応する住まいづくり」では▽ライフスタイルに応じた居住支援(長く住み続けられる住宅づくりの促進、多様な世帯ニーズに応じた良質な住宅の整備促進、住宅の住み替え支援)▽多様な住まい方等の情報発信-を挙げた。共同住宅のうち、道路から各戸玄関まで車いすやベビーカーで通行可能な住宅は、21年度の15.4%から32年度には25%にする。
「安定した生活を営む住まいづくり」では▽住宅確保要配慮者の円滑な入居の促進(民間賃貸住宅を活用した公的賃貸住宅ストックの供給など)▽住宅確保要配慮者のための適切な住宅の供給(セーフティネット住宅の登録促進や居住支援の推進)-を行う。居住誘導区域内のセーフティネット専用住宅の登録戸数は、21年度の6戸から32年度に100戸にする目標を定めた。市は、32年度に市営住宅の多くが寿命を迎えるが、市営住宅を新たに建設するのは難しいため、民間賃貸住宅の活用を構想している。
「安全で環境負荷の少ない持続可能な住まいづくり」では▽既存住宅市場の活性化(既存住宅取得者の安心確保、既存住宅の活用促進)▽安全に配慮した住宅の普及促進(住宅の安全性向上の促進、住宅の防災・減災対策の推進)▽環境への負荷が少ない住宅の普及促進(環境負荷の少ない住宅づくりの促進、IoT等を活用した持続可能な住宅づくりの促進)-を行う。既存住宅の流通シェアは21年度の15.2%から32年度には25%、家庭用太陽光発電を導入した住宅ストック率は21年度の10%から32年度には25%にする目標を設定している。
「マンション管理の適正化を推進する住まいづくり」は、管理計画認定制度の適用やマンション管理の実態調査などを行う。マンション管理認定制度の認定件数は32年度には15件、マンション管理実態調査の回答率は21年度の53.1%から32年度には100%にする。
「多様な主体と連携した住まいづくり」では、不動産事業者や福祉関係機関等と連携した居住支援を進める。