久米設計を特定 仙台に再編集約技術専門校プロポ(宮城県土木部)

[2022/1/12 宮城版]
 宮城県土木部は11月11日、公募型プロポーザルの手続きを進めている「高等技術専門校新築等設計業務委託」について、委託候補者として久米設計(東北支社・仙台市青葉区)を特定したと発表した。5地域にある高等技術専門校を仙台市内に再編集約するため、校舎などの新築および改修に係る設計を委託する。再編集約の事業は現時点で、2024年度に既存施設の解体に着手する予定だ。

 プロポーザルは8月下旬から公募を始め、2段階の審査を経て委託候補者を特定した。3社が参加を表明し、1次審査では技術者の実績や資格などを評価した。宮城県は久米設計と関・空間設計(東北支社・仙台市青葉区)、松田平田設計(東京都港区)の3社をプロポーザル提案者とし、技術提案書の提出を求めた。

 11月9日に2次審査を開き、3社にヒアリングなどを行った。技術提案では①安全性と機能性を考慮した合理的な全体計画②各訓練科の特性に配慮した建築計画③長寿命化およびライフサイクルコストの低減に配慮した建築計画――を評価した。その結果、久米設計の提案を採択した。次点は松田平田設計だった。

 久米設計とは今後、見積り合わせなどを行い、来年2月上旬の契約に向けて協議を行っていく。宮城県が大規模公共事業の承認を受ける際に試算した事業費では、調査費に4700万円、設計費に2億6300万円を計上している。

 工業系の専門技術を履修できる高等技術専門校は現在、▽仙台▽石巻▽白石▽大崎▽気仙沼――の5校が運営されている。しかし、近年は生徒数の減少によって定員割れが続いているため、宮城県は仙台市内に再編集約することにした。JR福田町駅に近い仙台高等技術専門校(仙台市宮城野区)の学校施設を活用し、新しい校舎などを建設する。初期建設費を121億6800万円と試算し、このうち施工監理費を含めた工事費を89億8800万円と見ている。

 設計の委託者には本館(延べ3900㎡)や実習棟(延べ7900㎡)、人材開発センター(延べ1000㎡)などの新築に係る設計と、既存の本館など延べ1万㎡の解体に係る設計をまとめてもらう。また、改修して再利用する実習棟などの改修設計も委託する。履行期間は2025年1月31日まで。

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