成田町に歩道設置を 大洗友部線の整備で県へ要望
[2022/11/5 茨城版]
主要地方道大洗友部線改良促進期成同盟会(会長・山口伸樹笠間市長)はこのほど、県庁を訪れて、田村央土木部長に大洗友部線の整備促進を求める要望書を手渡した。要望では、同線の計画的な整備の推進と来年度予算での事業費の確保などを盛り込んだ。具体的には大洗町成田町での歩道設置や、鉾田市箕輪地区でのバイパス整備など、5カ所での道路整備を早期に実施することを求めた。これに対して県は、要望箇所の整備状況を説明するとともに、引き続き市町村と連携して整備を促進していく考えを示した。
この期成同盟会は、笠間市と大洗町、鉾田市、茨城町で構成し、大洗友部線の整備促進を目的としている。当日は山口会長と小林宣夫茨城町長、関清一大洗町副町長、檜山義徳鉾田市建設部長、関根主税笠間市都市建設部長らが県庁を訪れて、田村部長に対して要望活動を行った。
大洗友部線は2市2町を東西に結ぶ総延長約33kmの主要地方道路。同線は国道51号と国道6号、国道355号に接続する重要な幹線道路であるとともに、東関東自動車道や常磐自動車道、北関東自動車道に至るアクセス道路として大きな役割を担っており、災害時などの緊急輸送道路として、重要な路線となる。
これまで、この路線は整備要望に対して各地区で整備が進められてきた。しかし、一部区間において幅員狭小や屈曲、歩道未設置などの改善が必要な箇所が残っていることから、例年同盟会では道路整備費を確保して整備を促進するよう要望している。
同盟会の要望箇所は5カ所となる。このうち、大洗町は成田町の延長990m区間への歩道設置の早期事業化を要望。同線が南小学校や南中学校の通学路となっているため、危険解消のためにも早期の事業化を求めた。
鉾田市は箕輪地区で、県道下太田鉾田線との交差点部など延長1000mのバイパス整備の早期完成を要望。茨城町は海老沢・神宿・駒場地区の延長2800mの現道拡幅の早期事業化と、小鶴・越安・蕎麦原・駒渡地区で整備中の延長3130mのバイパスの早期完成を求めた。
笠間市は、橋爪地内で延長550mの交差点改良を要望。並行して流れる涸沼川の河川改修や交差点箇所に位置する国道355号宍戸橋の架け替えと連動して事業を進め、早期の完成を求めた。
これに対し、県は事業箇所の進捗状況を説明。大洗町成田町の歩道設置については、昨年度から事業に着手し、現在は測量と設計が完了。本年度は説明会を開催し、用地測量を進めている段階にある。今後は速やかに用地測量を完了し、用地取得に着手する計画となる。
鉾田市箕輪地区のバイパス整備では、道路改良工事を進めている段階にある。本年度は交差点改良工事や舗装工事を実施し、早期のバイパス開通を目指しているという。
茨城町の海老沢・神宿・駒場地区については、海老沢から神宿の延長900m区間で事業が開始しており、圃場整備の状況を見ながら進めていく考え。小鶴・越安・蕎麦原・駒渡地区のバイパスについては、茨城中央工業団地から茨城町運動公園までの1.3kmで用地取得が完了し、道路改良工事を全面的に進めている。このうち、西側の延長400m区間については、21年3月に完成した。残る東側の1.8kmでは用地買収を進めており、現時点で98%の進捗となっている。本年度は道路改良舗装工事を進めるとともに、残りの用地を買収する計画だと説明した。
笠間市の橋爪地区については、これまでに東側380m区間の整備が完了。残る170m区間は宍戸橋架け替えに係る区間となる。20年度から測量や調査、橋梁の詳細設計などを実施。本年度から用地買収に着手している。
最後に田村部長は整備の必要性に理解を示すとともに、予算確保に向けて中央への要望を実施していく必要性を指摘するとともに、用地取得やバイパス整備時の旧道移管などについて引き続きの協力を求めた。最後に「大洗友部線の早期整備に向けて、執行部と事務所ともに最大限の努力をしていく」などと述べた。