県内初の脱炭素先行地域に選定 ZEH住宅導入など盛る(千葉市)
[2022/11/4 千葉版]
千葉市は、環境省の「脱炭素先行地域」に県内で初めて選定された。TNクロス(東京都千代田区)と共同提案したもので、3エリアで太陽光発電や蓄電池などを活用するとともに、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)住宅の導入や幕張メッセの照明LED化などを進めていく計画だ。先行地域に選定されると、5年間で最大50億円の交付金による支援を受けることができる。
提案名は「脱炭素で磨き上げる都市の魅力~「行きたい」「住みたい」「安心できる」千葉市へ~」。対象となるのは▽グリーン・MICEエリア(美浜区幕張新都心地区)▽グリーン・ZOOエリア(若葉区動物公園地区)▽グリーン・レジリエント・コミュニティ(施設群)──の3エリア。
主な取り組みをみると、グリーン・MICEエリアでは、幕張メッセの照明をLED化することなどにより、大規模集客施設が多数立地するエリアを脱炭素化する。
グリーン・ZOOエリアでは、ZEH住宅(461戸)を導入。新設する民間新電力が千葉都市モノレールの軌道桁を活用して敷設する自営線と大型蓄電池を接続し、エリア内のエネルギー需給を調整する。
グリーン・レジリエント・コミュニティでは、公共施設やコンビニエンスストアなどに太陽光発電(1万7312kW)や蓄電池を導入し、災害時の住民支援拠点とする。併せて、廃棄物発電からの自己託送とEMSを活用したエネルギーの一元管理を進めていく。
このほか、▽動物公園ガスボイラーのバイオマス熱ボイラー(480kW)への置き換え▽電動シェアサイクル(2000台)の導入▽ナッジなどによる行動変容の推進──などを盛り込んでいる。
市環境保全課温暖化対策室は、脱炭素先行地域の取り組みを市内の他エリアでも展開できるよう、官民が連携して取り組んでいく考えを示している。
脱炭素先行地域は、2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門の電力消費に伴う二酸化炭素排出の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用なども含めた二酸化炭素排出についても地域特性に応じて実現する地域。選定されると、環境省から交付金の支援を受けることができる。
環境省は、25年度までに100カ所以上の地域を選定する方針。本年4月に第1回目の脱炭素先行地域として26件を選定。第2回目として、同市を含む20件が選定されている。