庁舎建設で投資額増へ 道路・河川は年間6億円(宮城県 気仙沼市 財政見通し)
[2022/10/29 宮城版]
気仙沼市は、2022年度から26年度までの中期財政見通しを明らかにした。投資的経費は復旧・復興事業の進捗で減少するものの、通常事業に関して見れば23年度以降は新庁舎整備事業などで増加する年もある。市道や河川の維持・整備事業費は各年度6億円程度を充てている。
中期財政見通しのうち、通常分は現行の税財政制度が継続されることを前提に、過去の決算額の推移や、将来人口の動向予想などを考慮して推計した。復旧・復興分は本年度で全てのハード事業が完了し、ソフト事業の一部が25年度まで継続されるものとして推計した。
投資的経費は復旧・復興分や災害復旧費を除くと、本年度が38億2800万円、23年度が31億8100万円、24年度が18億0100万円、25年度が18億0900万円、26年度が48億3400万円となる見通し。
本年度が多いのは、前年度の繰り越し分として20億円程度が加わっているため。この分を差し引けば18億円程度になる。ちなみに本年度の復旧・復興分は109億9900万円、通常分の災害復旧事業費が3億7200万円。
来年度は新庁舎建設事業で建設予定地にある旧病院の解体工事が最盛期を迎えることや、亀山園地整備事業などで投資的経費がふくらんでいる。24年度後半からは新庁舎の建設工事がスタートする予定で、26~27年度ごろにその支払いがピークを迎える見込み。
投資的経費はこのほか、道路、河川、公共施設の整備・改修や、市有林造林事業などに毎年度、一定の経費を見込んでおり、継続事業に係る所要額を盛り込んだ。
予算全体で見ると、市税や地方交付税等が減少する一方、歳出全体は一定規模で推移することから、期間を通じて収支不足が生じるものの、財源対策(財政調整基金の取り崩し)を講じることで対象期間中は収支均衡を保てる見通しとなった。
ただし、26年度末の財政調整基金残高は4億6000万円となり、標準財政規模の2.5%と見込まれる。適正規模は10%が目安と考えられていることから、今後の予算編成は一層の堅実さが求められてくる。
今後の対応としては、行財政改革を推進し、人口減少を見据えた公共施設のあり方や事務事業の見直し、業務の委託化とデジタル化、総人件費の抑制などに取り組む。併せて、第2次市総合計画等に基づき、産業振興や雇用拡大などの税収増加につながる各種事業を展開する。